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2017年10月13日 (金)

48回衆議院選挙にあたって

 今回の衆議院総選挙について、思うところを書いてみます。

 森友・加計問題で追いつめられた安倍政権でしたが、支持率の回復と野党の体制が整わない間隙を狙って衆議院を解散させました。憲法改正も公約に掲げられました。
 民進党の解体という劇的な事態が生まれました。このような大きな政治的動きがあった時は、冷静に事態を見る必要があります。戦後史全体を俯瞰しながら、この事態は、戦後史全体のどこに位置しているのかという事を考える必要があります。

 では、簡単に戦後史をおさらいしてみましょう。(憲法・安全保障を中心に)
 
 【サンフランシスコ体制の成立】
  敗戦後の1946年、GHQが作成した憲法草案が示され、議論の結果、これを修正して現在の日本国憲法が生まれました。戦争に疲れた多くの国民にとっては、歓迎すべきものとして…。
 世界的に見れば、この時代すでに東西の冷戦が始まっていました。
 1950年に朝鮮戦争が始まりました。
 1951年、サンフランシスコ講和条約が結ばれましたが、西側諸国との片面講和でした。この講和条約には、「連合国日本占領軍は、本条約効力発生後90日以内に日本から撤退すること」(第6条a)が定められていましたが、同時期に結ばれた「日米安保条約」「日米行政協定」により、米国の半占領状態が続くことになりました。
  「日米行政協定」を一言で言えば、「米軍が必要とすれば、日本のどんな場所でも米軍基地にすることができる」という協定です。(第二条1項、第三条1項)
 日本は、アメリカに従属した「反共の砦」として、共産国と対峙する西側諸国の一員となったのです。

 【砂川事件判決・司法権の従属】
 1957年の砂川事件伊達判決をめぐって、日本の司法さえもがが、対米従属であることが明らかになりました。
 米軍の駐留を違憲とした伊達判決は、高裁を飛び越え、ただちに最高裁に持ち込まれ、「高度に政治的問題については憲法判断はしない」」(統治行為論)という判決が下りました。後に、最高裁田中耕太郎長官は、密かにアメリカ側と接触していた事実が明らかになりました。この司法権の従属判決は現在も続いています。

 【日米安保条約の改定】
 1960年に旧「安保条約」と「日米行政協定」にかわり、新「安保条約」と「日米地位協定」が結ばれましたが、「米軍が必要とすれば、日本のどんな場所でも米軍基地にすることができる」という本質的内容は継続されました。
 「日米行政協定」→「日米地位協定+密約」という形をとなりながら…。
  日本国内には多数の米軍基地があり、米軍には日本の法律が適用されない治外法権状態は、現在も続いています。

 【再軍備と憲法改正を求めるアメリカ】
 アメリカは、朝鮮戦争下、日本に再軍備化を要請し「警察予備隊」が創設され、1954年には自衛隊となりました。
 アメリカの公文書公開により、1948年のフォレスタル国防長官時代に「日本の限定的再軍備」(ロイヤル陸軍長官答申)が、アメリカの軍首脳部の公的な方針として確定していた事が明らかになっています。この文書には、将来憲法を改定して、本格的に軍隊をもたせるための準備をやっていくことも明記されていました。
 憲法改正と海外派兵は、アメリカの基本的な要求だったのです。
  歴代自民党政府は、「専守防衛の自衛隊は合憲」という立場でした。日本社会党は、「自衛隊は憲法違反、非武装中立」を主張し、自民党と対立しました。
 自民党のリベラル的な性格を持つハト派政権は、憲法9条を口実にアメリカからの海外派兵要請をかわしつづけました。憲法9条は、アメリカからの海外派兵要請を拒否する側面も持っていました。
 タカ派といわれる中曽根首相は、憲法改正を強く主張し、「日本は不沈空母」という発言もしました。

 【東西冷戦の終結】
 1991年、ソ連の崩壊により冷戦が終結し、アメリカは世界で唯一の超大国となりました。日本の「反共の砦」、「不沈空母」の役割が終わったかに見えました。
 しかし、北朝鮮の脅威、中国の軍事力増強など、極東地域の平和への脅威を理由に、引き続き安保体制は継続しました。
  単なる継続でなく、むしろ積極的に「日米同盟は外交の基軸」論が主張されるようになりました。

 【日本社会党の崩壊】
 総評の解散、連合の結成など労働界が右へと再編されていきました。非武装・中立を主張していた日本社会党は、ジリジリと勢力を弱めていました。
 1994年、村山連立政権が誕生しました。非武装・中立を主張していた社会党は、安保条約肯定、原発肯定、自衛隊合憲など、旧来の路線を大転換しました。この結果、社会党は国民の支持を失い、分党・解党の道をたどりました。
 その後は、「自衛隊合憲、専守防衛論」が政治の主流となっていきました。

  【集団的自衛権・改憲の要求】
 1991年の湾岸戦争以降、アメリカの日本への海外派兵圧力が強まってきました。
 1997年には、日米ガイドラインが改定されました。(周辺事態に対応)
様々な条件付きでしたが、あいついで海外派兵を可能にする法律、PKO協力法、周辺事態法などがが成立しました。
 2000年、アーミテージ国務副長官が対日報告書で、『集団的自衛権を禁じていることが両国の同盟協力を制約している』として、集団的自衛権の行使を求めてきました。
 小泉政権下で、イラク、アフガン戦争への協力をめぐり、テロ対策特別措置法、イラク復興特別措置法が成立しました。有事法制も整えられました。
この時期は全体として、海外派兵強化、有事法制の整備、大規模な改憲運動が進みました。
 【憲法の枠組みを乗り越え始めた第2次安倍政権】
 2015年、日米ガイドラインを改定。(協力を切れ目無く、地球規模に拡大)
  第2次安倍政権では、集団的自衛権行使を可能とする平和安全法が成立しました。
 憲法学者をはじめ、市民連合、学生組織などが、この法律は憲法違反であると一斉に批判しました。「日米同盟」の強化はついに、憲法の枠組みを壊さなければ進められない状態に到達したのです。

  【民進党の分裂と選挙の争点】
 以上のように見てくると、日本社会党の崩壊は、自衛隊は合憲かどうかをめぐっての問題でした。今回の民進党の分裂は、憲法9条を改正するかしないかをめぐる問題です。消費税の使い道や社会保障の進め方で分裂したのではありません。
 選挙の争点は、まちがいなく「憲法改正」です。今回の選挙は、戦後史の中で、初めて本格的に憲法改正が問われる選挙なのです。マスコミはあれこれ面白く報道するので、選挙の争点が見えにくくなっています。「チガウダロ~!」と叫びたくなります。

 【北朝鮮危機をめぐって】
 ならずもの国家・北朝鮮を巡る最悪のシナリオは、「アメリカ軍の軍事攻撃→北朝鮮による日本の米軍基地への核攻撃」です。戦後史の中で、日本が核攻撃をうけるかもしれない最大の危機が迫っています。自民党の6割、維新の9割の議員が、アメリカの軍事オプションに賛成という報道があります。軍事行動をちらつかせるトランプ大統領に追随するとは、危険かつ愚かです。日本が核攻撃を受ける危険を孕んでいます。
 「話し合いは無駄だ。必要なのは圧力だ」という主張は、戦後史全体を俯瞰すれば、海外派兵と憲法改正に親和性のある主張です。
 一番の基本的な問題は、アメリカ軍の基地が日本に多数存在することです。
 「日本はアメリカの核の傘で守られている」、「日米同盟は外交の基軸」。これらの意見を克服し、アメリカ追随国家から自立する必要があると考えます。被爆国でありながら、核兵器禁止条約に署名しない国など、あり得ないでしょう。

  「北朝鮮問題は話し合いで…」は当然の主張ですが、どこで、誰が、何を話し合うのかが問題です。「アメリカと北朝鮮が二国間で…」という中国などの主張は無責任です。中国は朝鮮戦争の片方の当事者です。もう片方の当事者は国連軍です。
 話し合いの舞台は当然国連です。武力による威嚇は国連憲章違反です。
 核兵器禁止と国家の主権を尊重した、朝鮮戦争終結についての話し合いです。
   (これは私論です。)
  選挙の投票先は難しくないですね。

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コメント

この日のはかいしのブログ何回も読んで投票行ったよ。一回読んでもあんまり理解できなかったから何回も読んだ(*_*)自分は投票は皆勤だけど、知らないことがいっぱいで恥ずかしいなぁと思った。はかいしが社会の先生だったら早くから戦後史に興味持ったかもしれない!(*_*)

投稿: みほカレー | 2017年10月24日 (火) 16時31分

みほさん、コメントありがとうございます。

このような雑文を読んでいただいただけで感激です。
私のブログは、ほとんど読まれていないと思います。
自分の知識の整理と老化防止のために書いているよ
うなものです。
読んでいただいてありがとうございます。

選挙で誰に投票するか難しいですね。
政治家は、基本、嘘つきなので目先の政策をみても
騙されるだけです。
社会に対する基本的な知識が無いと…。
新自由主義。現代史。など勉強してください。では。

投稿: 墓石 | 2017年10月24日 (火) 20時06分

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