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2017年6月26日 (月)

二十四節気「夏至」・雨の詩

 6月21日は、二十四節気の「夏至」でした。この時期は、ちょうど梅雨の時期に当たります。今年の梅雨は晴れの日が続き、26日になってようやく雨が降り、やっと梅雨らしい天気になってきましたね。近年は異常気象で、大雨に注意です。
 古来、自然に親しんできた日本人にとって、雨は詩作の重要なモチーフですね。万葉集では、雨の登場する歌は、100首を越えているそうです。
 ~♪ひさかたの 雨の降る日を ただ独り  山辺に居れば いぶせかりけり♪~
 意味:雨の降る日にただひとり山辺にいると、気分はすっきりしないものです。
  大伴家持が紀郎女に贈った歌です。雨で気分がすっきりしないというより、あなたが居ないので寂しいといったところでしょうか。 家持はこまめな色男?

 今の時期の雨に関する言葉も多いです。いくつか挙げてみましょう。ほんの一部ですが…。在りすぎて使い分けるのが大変ですね。
 「青時雨」(青葉に降る雨)  「樹雨」(霧の雫が葉に溜まり落ちてくる水滴)
 「喜雨」(日照りの後の恵みの雨)  「雨濯」(すべてを洗い流すような雨)
 「五月雨」(さみだれ、梅雨の雅語、皐月雨)  「翠雨」(すいう、若葉雨、緑雨)
  「卯の花くたし」(卯の花が散る頃=梅雨入り)   「梅霖」(梅雨の長雨)
 「旱天の慈雨」(日照り続きの乾いた大地に降る恵みの雨)……

 雨のでてくる詩をいくつか紹介してみます。詩人たちには、どんな雨が降っていたのでしょうね? 詩人と雨です。
 雨の最も似合う詩人は、やはりあの人、中原中也さんですね。
   ~♪ 六月の雨
またひとしきり 午前の雨が
菖蒲のいろの みどりいろ
眼うるめる 面長き女
たちあらはれて 消えてゆく

たちあらはれて 消えゆけば
うれひに沈み しとしとと
畠の上に 落ちてゐる
はてしもしれず 落ちてゐる

  お太鼓たいこ叩いて 笛吹いて
  あどけない子が 日曜日
  畳の上で 遊びます
         ・・・・・♪~

 雨の中に別れた女性の幻影が浮かんできます。追憶。挫折。愁いに沈み、雨はしとしとと降り続きます。あどけない子どもが無邪気に遊ぶ、けだるい日曜日。降っているのは、「梅霖」?、「愁霖」?、「寂霖」?……。

 詩人と雨。祈りに満ちた雨の詩を書いたのは八木重吉さんですね。
  ~♪雨はつちをうるおしてゆく 
   雨というもののそばにしゃがんで
   雨のすることをみていたい ♪~

 敬虔なクリスチャンだった彼の場合は、天から落ちてくる雨に、神の御業を感じとっていました。彼の雨は「旱天の慈雨」?「静寂の雨」?  八木重吉さんと一緒に、雨の鴻ノ巣山を散歩したい方は… ★二十四節気「夏至」・雨の鴻ノ巣山へ→ こちら 
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   詩人と雨。金子みすずさんの場合は…。
~♪ほこりのついた/芝草を/雨さん洗って/くれました。
  洗ってぬれた/芝草を/お日さんほして/くれました。
  こうして私が/ねころんで/空をみるのに/よいように。

 「すべてのものが支え合い、補い合い、つながりあって存在している。私もまたその中に生きている」。金子さんの雨は、「喜雨」?、「慈雨」?

 詩人と雨。蛙の詩をたくさん書いた草野心平さんの場合は…「驟雨」。
 ~♪ 驟雨直後
まるでポンプだ
放射する光線のポンプだ
そして又
歓声をあげるようなこの野っ原のざわめき!
万歳だ        ♪~
 野っ原に、生き物たちの歓声が爆発しそうですね。実に草野心平らしいです。蛙たちの喜ぶ声も聞こえそうです。万歳だ!

 私は以前、雨が降るとよく宇治田原の林道に行っていました。「卯の花くたし」の雨が降り、杉の樹間に霧が流れ、小紫陽花がひっそりと咲いていました。そんな静かな林道を散歩したい方は、…… ★二十四節気「夏至」2011へ → こちら 
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    白洲正子随筆集、「かくれ里」には、「田原道」という題で、宇治田原町高尾のことが紹介されています。白洲正子さんと一緒に、静かな林道の雨に打たれたい人は、…
  ★白洲正子と宇治田原町高尾へ → こちら 
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コメント

墓石さん こんばんは。(*^-^*)

昨日はやっと梅雨の雨でしたね。

詩人たちは流石に感受性豊かに雨を表現してられ、
感服します。
今年の冬にイスラエルへ行った時、ガイドさんは
イスラエルの人は雨が少なくて雨を「命の雨」と
捕えられると表現してられました。

鷲峰山で撮られた一番下の欄の真中、杉林の中の
紫陽花が大好きです。

投稿: 輝子 | 2017年6月26日 (月) 20時11分

輝子さん、おはようございます。
少し梅雨らしくなってきましたね。
今日は曇りのようです。

イスラエルでは、雨は「命の雨」ですか。
日本では、梅雨末期の豪雨は「命を奪う雨」ですね。
空梅雨も大変ですが…。

輝子ブログ拝見しております。
ほぼ毎日の更新ですね。いいですね。

投稿: 墓石 | 2017年6月27日 (火) 09時54分

墓石さま こんばんは。

雨の様々な風景と詩を楽しませていただきました。
ありがとうございます。
宇治田原の雨の風景、私は初めて拝見しました。
お宝写真と出会えてうれしいです。

どれもこれも、素敵な風景です。
きっと、ずぶぬれになって撮られたのでしょうね。
雨に濡れた植物は、生き生きと見えますね。
人間も、そうかな~。そうありたいものです。
豪雨はご免こうむりますが。

蒸し暑さと寝汗で大変だと思いますが、
少しでも安眠できるといいですね。
お大事にお過ごしください。

投稿: ひかる | 2017年6月27日 (火) 21時19分

ひかるさん、こんばんは。
写真を見て頂きありがとうございます。
新しい写真を撮りに行けていないので、過去の写真ばかりで
申し訳ないです。

降る雨を見ながら、ゆっくりとした時間を過ごしたいと
思うのですが、なかなか心がしずまってくれないです。
理由も無くイライラしたり、世間のことが気になったり……。
忙しくも無いのに、心が何か忙しいです。
ちょっと修行が必要ですね。ゆっくり寝られるといいの
ですが……。

投稿: 墓石 | 2017年6月27日 (火) 22時17分

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