« 二十四節気「大雪」2016後半 | トップページ | 二十四節気「冬至」2016 »

2016年12月19日 (月)

二十四節気「大雪」・川の流れ

  二十四節気「大雪」のために撮影した写真のうち、何枚かが使われずに残りました。 なぜか、川の流れが写った写真ばかりです。木津川土手で撮した写真なので、当然といえば当然ですが・・・。
 この写真を見ながら、「川の流れ」について、つまらない雑文を書いてみました。
 川にまつわる詩や歌、想い出などです。

              *******
  「川の流れ」と言えば、日本人ならこれですね。美空ひばりの「川の流れのように」。多くの人が知っている名曲です。この曲のファンの方も多いと思います。
   ~♪ 知らず知らず 歩いてきた
      細く長い この道
      ・・・・
      でこぼこ道や 曲がりくねった道
            ・・・・
            ああ 川の流れのように とめどなく・・・  ♪~

  「川」の歌を全国的に投票すれば、1位「川の流れのように」、2位は「イムジン川」かな? 「神田川」? 「春の小川 」? 「花」?    どうなるんでしょうね? 
  ひばりファンに叱られるかも知れませんが、「川の流れのように」は、あまり好きにはなれません。「でこぼこ道や 曲がりくねった道」という人生の表現にリアル感がないですね。朗々と歌われていますが、どんな川なのかイメージも湧かないです。
 川の流れは、よく見るとけっこう汚いです。プラゴミやネズミの死体・・・。川は清濁あわせ持つ存在ですね。
Kawanonagare102_2Kawanonagare101_01_2Kawanonagare101_2  

 

 

 

 

   人は心の中に、人それぞれの川の流れを持っています。
 芥川龍之介の小品に、「大川の流れ」というのがあります。大川とは隅田川のことで、決して綺麗とは言えない泥濁した大都会の川です。作者にとって「大川」とはどのような川なのか。岸辺の風景、水の響き、水の光、想い出など、心の中にある豊かな川の流れが語られています。
    ~♪・・・泥濁のした大川のなま暖かい水に、限りないゆかしさを感じる・・・。ただ、自分は、昔からあの水を見るごとに、なんとなく、涙を落したいような、言いがたい慰安と寂寥とを感じ・・・。この慰安と寂寥とを味わいうるがために、自分は何よりも大川の水を愛するのである。・・・・・。
  自分は大川あるがゆえに、「東京」を愛し、「東京」あるがゆえに、生活を愛するのである。  ♪~
         ★「大川の流れ」をチェックしたい方は、→ こちらから(青空文庫)
Kawanonagare201_2Kawanonagare201_01_2Kawanonagare203_2  

 

 

 

   小学生の時以来、私は音楽の時間が嫌いでした。ピアノの前で一人で歌わされる歌のテスト、嫌いと言うよりも恐怖でした。それがトラウマとなり、未だに人前で歌を歌ったことはないです。
 中学に入ると、これまた音楽教育に熱心な教師でした。教科書にはない、世界の歌を歌わされました。その中で、もっとも印象に残っているのが、「アフトンの流れ」という曲です。アフトン川とは、どこの国を流れている川なのか、なにも知らず、何も考えず歌っていました。今でも、けっこう歌えます。良い曲だったのですね。思い出します。
   ~♪ アフトンの流れ 静かに 野辺に続き果てもなく 夢を乗せて遙かに 行方わかず流れゆく おお我が父よ   おお我が母よ ・・・♪~
 アフトン川は、スコットランドを流れている川だそうです。
        ★ この曲を聴きたい方は → こちらから(錦織健)
Kawanonagare401_2Kawanonagare304_2Kawanonagare303_2  

 

 

 

   その後、お気に入りになったのは「青葉城恋歌」。かなり流行りましたね。なんとも言えずロマンチックな曲想が気に入っていました。
 ~♪広瀬川 流れる岸辺 想い出は かえらず
   早瀬 おどる光に ゆれていた 君のひとみ
   ・・・・
   あの日と同じ 流れの岸
   ・・・・
   あの人は もういない   ♪~
       ★この曲を聴きたい方は → こちらから(佐藤宗幸)
Kawanonagare401_01_2Kawanonagare402_01_2Kawanonagare402_2  

 

 

 

   三好達治の、少年の成長と旅立ちを歌った詩、「Enfance finie 」、これもお気に入りの詩でした。「大きな川のやうに、私は人と訣わかれよう。」・・・「 ああ哀れな私よ。僕は、さあ僕よ、僕は遠い旅に出ようね。」 このフレーズは、頭に焼き付いています。特に、女性に振られた時などに、必ず頭をもたげてきます。昔の話しですけどね・・・。

  ~♪    Enfance finie      三好達治   
  海の遠くに島が……、雨に椿の花が堕ちた。鳥籠に春が、春が鳥のゐない鳥籠に。
約束はみんな壊れたね。
海には雲が、ね、雲には地球が、映つてゐるね。
空には階段があるね。
 今日記憶の旗が落ちて、大きな川のやうに、私は人と訣わかれよう。
 床ゆかに私の足跡が、足跡に微かな塵が……、ああ哀れな私よ。
 僕は、さあ僕よ、僕は遠い旅に出ようね。

Kawanonagare501_4Kawanonagare502_7Kawanonagare503_5  

 

 

 

   
   川の流れを思い起こす小説といえば、私にとっては、まちがいなくロマン・ロラン 「魅せられたる魂」です。この作品は、私の年代以上の人には、よく読まれていたと思います。今はどうなんでしょうね?
 主人公の名は、アンネット・リビエール。リビエールというのは、フランス語で「川」という意味です。
  アンネットは、愛する人の子を宿しますが、その愛に偽りを見出し、恋人のもとを去ります。私生児を育てながら女性として自立の道を追求していきます。
 高まる社会主義運動。そしてファシズムの台頭。激動の時代を必死に生き抜こうとするアンネット。愛する息子をファシストに殺されても、なおその死を乗り越えていくアンネット。女性の自立とは何か。社会に目覚めるとはどういうことか。・・・・
 とめどなく流れる川のように生きた女性の物語です。お薦めします。

 昔、私の好きだった女性が、「私はアンネットのように生きたい!」と言っていました。彼女に気に入られようと、早速、私はこの作品を読みました。動機が不純で、下心満載ですね。もちろん振られました。 しかし、作品からは大きな影響を受けました。
Kawanonagare601_2Kawanonagare602_2Kawanonagare603_2  

 

 

 

   最後は、若かった頃、最も心に残った詩です。作者の浜田矯太郎さんは、この詩を書いたとき、無名の工場労働者だったようです。その後どんな詩を作り、どんな生き方をされた方か全く知りません。 小説家?
 大岡川とは? 神奈川県の川? これもよく知らないです。
 しかし、この詩は今でも頭に残っています。若かった頃への懺悔の念とともに。
  ~♪    大岡川に  (浜田矯太郎)      日本無名詩集「祖国の砂」
  堀り 深く
  せせらぎも つつましやかに
  今日もお前は 流れている
   ・・・・
  しかし静かな 大岡川よ
  この土地に生きて三十年
  私はお前を知らずにいた
  お前の長い経歴を
  お前の豊かな働きを
 
  見も知らぬ 遠い国の
  セーヌ河や ドナウ河
  あの揚子江などの物語を聞いていても
  ひかえ目な 大岡川よ
  お前を私は 知らなかった

  いまこうして岸辺に立ち
  お前の深さに打たれていると
    ああ 羞恥が 胸をかむのだ
  思い上がった行為の数々が
  お前の水面に 浮かぶではないか

  そうなのだ
  おのれの川の道筋さえもしらぬものに
  身をけずった働きを知らぬものに
  どうして祖国がうたえようか     ~♪

 木津川が暮れていきます。静かな夕暮れです。
 こんな時は、私には想い出ばかりです。   では。また。
Kawanonagare701_2Kawanonagare702_2Kawanonagare703_2

|

« 二十四節気「大雪」2016後半 | トップページ | 二十四節気「冬至」2016 »

コメント

墓石さん こんにちは。(*^-^*)

「道」や「川」人生を感じさせるので大好きです。
やはり墓石さんは身近な木津川の大河でしょうか。浅いですが、広いし静かに朗々と流れていますね。私は今は
宇治川かな。清流で親近感を感じます。

山間の渓流、池、沼も好きです。大阪の道頓堀の汚れた
川も今では人の手で綺麗てしょうか。生活感
が満ちてますね。

まぁ、「魅せられたる魂」で失恋でしたか。それも
良き思い出でしょう。素敵な川物語をありがとうござい
ました。

投稿: 輝子 | 2016年12月20日 (火) 11時49分

輝子さん、こんにちは。
恥ずかしいような雑文を読んでいただきありがとうございます。
恥ずかしいかぎりです。

昔のことを思い出しているうち、いろいろ記憶違いや
記憶の混乱があって、苦労しました。
歳をとると、記憶が前後したりして大変です。
もう歳です。名前も出てこないし、困ったものです。
最近、特に記憶力に衰えを感じています。
認知症が始まっているのでしょうかね。
輝子さんは、元気そうですね。教林坊、宇治川、宇治市内と
楽しまれていますね。 では。

投稿: | 2016年12月20日 (火) 14時10分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/522242/64647474

この記事へのトラックバック一覧です: 二十四節気「大雪」・川の流れ:

« 二十四節気「大雪」2016後半 | トップページ | 二十四節気「冬至」2016 »