« 2016年5月 | トップページ | 2016年7月 »

2016年6月

2016年6月29日 (水)

二十四節気「夏至」2016後半

二十四節気「夏至」の続きです。梅雨晴れの土手の散歩を続けましょう。
 アカツメグサは、いたるところでまだまだよく咲いています。晴れ間を利用して、散歩する人の姿も見られます。
Geshi2016tui101_01Geshi2016tui101Geshi2016tui101_02  

 

 

 

   アカツメグサに蝶がきています。二匹が接近。恋の駆け引きも大変そうです。
 羽根がボロボロな蝶。恋に破れたのか? 生活に疲れたのか?
Geshi2016tui102Geshi2016tui102_01Geshi2016tui101_03  

 

 

 

   ヒメジョオンも、夏雲の下で咲いています。
 奈島の土手には、桑の木が実をつけています。この地では、かって養蚕が盛んに行われていました。その名残の木です。
 この地ばかりでなく、かって日本全国で養蚕は盛んでした。殖産興業方針により富岡製糸場が作られ、1930年代には農家の40%で養蚕が行われ、世界一の生糸輸出国になりました。桑の木のある風景は、日本の農村の原風景だったのです。
 しかし今、養蚕業は100分の1以下に衰え、今の子供は、この黒い実が食べられることすら知らないようです。
~♪夕焼け小焼けの赤とんぼ・・・山の畑の桑の実を小駕籠摘んだはいつの日か♪~
 この歌の風景が広がっていたのは、いつのことだったのでしょうか。今は、桑の実が風に揺れているばかりです。
Geshi2016tui301_01Geshi2016tui302Geshi2016tui301  

 

 

 

 

   桑の木のある場所を過ぎ、大榎のすぐ近くにシモツケの花が咲いています。シモツケは、コデマリ、ユキヤナギの仲間ですね。紅いコデマリという感じです。
Geshi2016tui403Geshi2016tui402Geshi2016tui401  

 

 

 

   さらに北へ進むと、水主神社です。鎮守の森が見えています。稲は順調に生長しているようです。なぜか子供が走っていきます。この子どもたちはこの後、水路を渡り、団地のフェンスを乗り越えて帰っていきました。元気な子供はいいですね。
Geshi2016tui501_01Geshi2016tui502Geshi2016tui501  

 

 

 

   寺田さくら堤付近では、ヒメジョオンが土手の斜面に勢力を張っています。この辺りは、駐車スペースも広いため、車でやって来て、犬を散歩させる人、子供を遊ばせる人も多く賑わっています。
Geshi2016tui601Geshi2016tui603Geshi2016tui602  

 

 

 

   ヒメジョオンをクローズアップして、遊んでみました。花の写真は難しいです。
Geshi2016tui701Geshi2016tui702Geshi2016tui703  

 

 

 

   土手の斜面を降りて河原の草むらにはいると、ハマハナセンブリ(?)が咲いています。ヒメコバンソウが霞みのように、花にからみついて良い効果を出しています。
Geshi2016tui801Geshi2016tui802Geshi2016tui803  

 

 

 

 

   さらに北へ進むと、比叡山がよく見えてきます。田んぼに夏の雲が映っています。
 夏の雲を見ると、なぜか少年時代を思い出します。
Geshi2016tui901_2Geshi2016tui903_4Geshi2016tui902_4  

 

 

 

   アマサギ。この辺では、今の時期だけに見られる茶色の鷺です。この後、九州方面へと渡っていくらしいです。
 お別れは、夕陽とヒメジョオン。      では。また。
Geshi2016tui9101_01Geshi2016tui9101


| | コメント (2) | トラックバック (0)

2016年6月27日 (月)

定期診察(112)・横ばい状態

 今日はKS病院血液内科の定期診察でした。梅雨の晴れ間の暑い日でした。なぜか電車が混んで座れませんでした。駅の階段で、貧血であることを十分自覚できました。
 診察を待っている間に、クレームをつける人が、病院の係の人にくってかかったり、怒鳴ったりしていたので、ますます疲れました。

 さて、診察結果です。
 血小板は39万/μlで、3万減少です。薬を増量していないのに、最近14万も減少です。再び、これは危機の進行ではないかと質問しましたが、主治医は、「これは良好の徴」といっていました。
 Hbは9.0でほぼ横ばいの貧血状態。これからもこんな状態で推移するようです。薬の作用で血小板ばかりでなく、赤血球も作られにくくなっているそうです。
 
 頻尿は解消されてきたので、頻尿緩和のハルナールは中止することが決まりました。薬が一種類減りました。
 
 私は、口内炎によく罹るのですが、これについては、病気と直接的には関係ないということでした。

 まあ、全体としては横ばい状態ということです。

  薬は合計7種類。アグリリン2cap/day。バイアスピリン(抗血小板剤)。アマリール(血糖降下)。ミカルディス(血圧降下)。ガスター(胃薬)。フェブリク錠(尿酸降下)。
                    では。 また。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2016年6月23日 (木)

二十四節気「夏至」2016

6月21日は、二十四節気の一つ「夏至」でした。
 江戸時代の暦便覧によれば、「陽熱至極しまた、日の長きのいたりなるを以て也」です。一年中で一番昼が長い時期です。

  「夏至」の日当日は、前日から強く降っていた雨もあがり、梅雨の晴れ間の良い天気になりました。
 早速、いつものように木津川土手とその周辺の田園を散歩しましょう。
 土手を目指して田んぼ道を進みます。
 道端には、夏を知らせる花たちが咲いています。
   ウスベニアオイ(?)。 おしべが長く黄色のビヨウヤナギ(?)。
 夏の陽差しの中を、何を待つともなくのんびりとヒルガオ。 木下利玄の一首。
   ~♪ 真昼野に 昼顔咲けりまじまじと 待つものもなき 昼顔の花 ♪~
  本当は、蜜蜂を待っているんでしょうけどね。
Geshi2016102_01Geshi2016103Geshi2016101_01  

 

 

 

   田植えの終わった田んぼでは、発生したプランクトンの作るグラデーション模様が、柔らかに大きく広がっています。
 田んぼの水は、水草を浮かべ、水に写し出された夏雲は白く盛り上がっています。
 ヒメジョオンが畦道を飾っています。
Geshi2016202Geshi2016201Geshi2016201_01  

 

 

 

   農家の方にとっては迷惑な雑草たちですが、散歩する者にとって畦道は、ちょっとした雑草植物園です。
 タンポポ三兄弟。  
 最近、良く目にするようになったアレチハナガサ。
 ヒメジョオンの中にヤナギハナガサ。白の中に紫が良く映えています。
Geshi2016301_01Geshi2016301Geshi2016302  

 

 

 

   畦道に見慣れぬ紅い花が咲いています。ハマハナセンブリ(?)というらしいです。最近になってヨーロッパからやって来たようです。
 クローバーは、かっては窒素肥料として田んぼに植えられていたため、田んぼ周辺ではよく咲いています。
 オット!! 幸福の四つ葉のクローバーを見つけました。これで私も幸福に!
 吉野弘さんの詩に、「四つ葉のクローバー」という詩があります。
  ~♪ クローバーの野に座ると
     幸福のシンボルといわれているものを私も探しにかかる
     ・・・・
     四つ葉は奇形と知ってはいても
     ありふれて手に入りやすいものより
     多くの人にゆきわたらぬ希なものを幸福に見立てる
          ・・・・
          若い頃 心に刻んだ三木清の言葉
     <幸福の要求ほど良心的なものがあるであろうか>
     を私はなつかしく思い出す
     
     なつかしく思い出す一方で
     ありふれた三ツ葉であることに耐えきれぬ我々自身が
     何程か奇形であるまいかとひそかに思うのは何故か ♪~

  ありふれた日常こそが幸福? 人にゆきわたらぬ特別なものこそ幸福?
 答えのない心の中の矛盾、葛藤? 
Geshi2016401Geshi2016401_01Geshi2016404  

 

 

 

   三木清の人生論ノートや哲学ノートは、私と同世代以上の人には、よく読まれていたように思います。
    人生論ノート    <幸福について>   三木清
 ・・・・・
 我々の時代は人々に幸福について考へる氣力をさへ失はせてしまつたほど不幸なのではあるまいか。・・・・
 社會、階級、人類、等々、あらゆるものの名において人間的な幸福の要求が抹殺されようとしてゐる場合、幸福の要求ほど良心的なものがあるであらうか。・・・・
 我々は我々の愛する者に對して、自分が幸福であることよりなほ以上の善いことを爲し得るであらうか。・・・・

 クローバーに寄ってくるミツバチとしばらく遊びました。
 ミツバチにとって、蜜は幸福? それとも不幸? ウーン、難しいですね。
Geshi2016502Geshi2016501Geshi2016501_02  

 

 

 

   アカツメグサもよく咲いています。花の期間が長いですね。蝶が来ていました。
 畔に里芋が植えられています。土地の有効利用ですね。
Geshi2016603Geshi2016602Geshi2016601  

 

 

 

   城陽市は花蓮の産地です。蓮田では、蓮の芽生えが始まりました。蓮田の水は、白い夏雲を写し、いよいよ蓮の花の季節がやってこようとしています。
  ~♪ 一葉浮て 母に告ぬる 蓮かな ♪~        (山口素堂)
    ~♪ 蓮一葉 うくやうれしき ものゝ数 ♪~    (岩間乙二)
Geshi2016702Geshi2016701Geshi2016703  

 

 

 

   田んぼ植物園の最後はアジサイです。山の緑の中でしっとりと咲くアジサイもいいものですが、田植えの終わった田んぼをバックに咲くアジサイもなかなかなものです。
  ~♪ わがめづる あぢさいの花うす青う かげの国より 得し色にさく ♪~ 
  片山広子の歌ですが、これはどうも深い緑の中でしっとりと咲くアジサイですね。
 奈島付近から土手に上がります。ここにも、アジサイが咲いています。
Geshi2016801Geshi2016801_01Geshi2016801_02  

 

 

 

   アジサイ。
   アジサイの近くにネジバナも咲いています。
Geshi2016802Geshi2016802_01Geshi2016801_03  

 

 

 

 

   ネジバナは野生ランの一種で、よく見ると確かに美しいランの花です。万葉集には、「ねっこ草」として登場します。
 なぜねじれて咲いているのでしょうか? ちょっとひねくれて生きているのでしょうか? なら、私と同じですね。 あまのじゃく?
 
 アカツメグサが、ネジバナに「真っ直ぐ生きよ」と、お説教しているような・・・?
 梅雨の晴れ間の青い空には、白い雲が浮かんでいます。このあたりは、ホトトギスの鳴き声がよく聞こえます。
 「夏至」の前半は、ここまでにしておきます。  では、また後半で。
Geshi2016901_03Geshi2016901Geshi2016901_01

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2016年6月17日 (金)

「福島原発事故と小児甲状腺がん」(本の泉社)

 宗川吉汪・他二人著「福島原発事故と小児甲状腺がん」(本の泉社)を読みましたので、紹介させていただきます。
 チェルノブイリ原発事故では、その後、甲状腺がんが増加したことが知られていますが、福島の原発事故ではどうなっているのでしょうか? この本(小冊子)は、福島では原発事故後、小児甲状腺がんが明らかに増加していることを、簡単な統計的な分析により示したものです。

 福島県では、甲状腺がんの大規模な調査が行われています。
 【先行検査】
   2011年10月から2014年にかけて、19歳未満の県民全体(36万人)を対象にした先行検査が実施されました。
  チェルノブイリの場合、4年後から甲状腺がんが増加したことが知られています。したがって、先行検査の調査を基にすれば、4年後以降の調査で甲状腺がんが増加してくるかどうかを知ることができるわけです。
 【本格検査】
 本格検査は、事故後に生まれた子供を加え、38万人を対象に2014年から開始され、順次検査が進んでいます。
 検査の途中経過は、福島県のホームページで確認することができます。

  この本では、2015年8月の第20回県民健康調査検討委員会に報告された資料に基づいて分析が行われています。
  中高生にも理解できる単純な比例計算だけを使って、先行検査の患者推定数は、10万人あたり90.2人、本格検査では10万人あたり162.6人であることが示されています。
 次に、極めて大雑把な計算ですが、単純な平均値の計算と割り算だけを使って、先行検査の1年当たりのがん発生率を、10万人当たり9.5人、本格検査では54.7人であると計算しています。つまり、年当たりの発生率でみると、先行検査より本格検査の方が6倍高くなっているという結果です。
 この本は、難しい計算ではなく、中高生でも理解できる単純なかけ算、割り算と比例計算だけを使って計算しているところが、なかなかのすぐれものです。

 また、この本では、大雑把な比例計算では満足できない人のために、統計学の簡単な解説もつけています。それを使って、原発事故によって甲状腺がんが、先行検査に比べ本格検査では、95%の信頼率で3.03培に増加したという計算結果を導き出しています。
 統計学に興味のある人は、ぜひ勉強してみてください。

  日本では過去に、水俣病やイタイイタイ病など悲惨な公害事件が引き起こされてきました。そのたびに、御用学者と呼ばれる人たちが企業の責任を擁護して、排出物との関係を否定してきました。そのため、公害が認定されるまでに長い時間を必要とし、その間に被害者は悲惨な生活を強いられることになりました。
 福島原発事故でも県民健康調査検討委員会は、「甲状腺がんの発生に、事故の放射線の影響は考えにくい。」という評価をしています。マスコミも、ほとんど甲状腺がんの問題を報道していません。日本は、同じ間違いを何度くり返したら気が済むのか、という気持ちにさせられます。
 原発再稼働が進められていますが、原発は、いろいろ問題・課題が山積みですね。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2016年6月13日 (月)

定期診察(111)・貧血進む

 今日はKS病院血液内科の定期診察でした。雨がよく降る中を、傘をさして出かけてきました。病院の入り口で、傘を入れるビニール袋の取り出し方が分からなかったので、まごつきました。お婆さんに取り方を教えていただきました。ただ引き千切ればいいだけでした。

 さて、診察結果です。
 血小板は42万/μlで、2万減少です。前々回から11万も減少です。薬を増量していないのに減少しているので逆に心配になります。医師は、これは、危機の進行ではなく、普通にあることだと言っていました。

 最近、微熱が続き体調も悪く、息切れもひどくなってきていましたが、やはり、Hbは8.9に減少していました。以前、血液癌フォーラムで、「貧血の進行度が病気の進行度の目安」と言っていたので、貧血の進行は心配です。

  足の痺れ・痛みに加え、パソコンのマウスを操作していると右手の痺れもよく感じるようになりました。同じ原因によるものかどうか不明です。
  不明なことばかりですが、結論的には、今のまま経過をみるということです。

  薬は合計7種類。アグリリン2cap/day。バイアスピリン(抗血小板剤)。アマリール(血糖降下)。ミカルディス(血圧降下)。ハルナール(頻尿緩和)。ガスター(胃薬)。フェブリク錠(尿酸降下)。
                    では。 また。

| | コメント (9) | トラックバック (0)

2016年6月10日 (金)

二十四節気「芒種」2016・後半

  二十四節気「芒種」2016の後半です。木津川土手方面への散歩を続けましょう。

 散歩道では、花や木から突然話しかけられたような気がすることがあります。花や木が無言の言葉で語りかけているのです。古来、詩人たちは自らの心を透明にし、花たちと会話してきました。長田弘さんの詩に「花たちと話す方法」という詩があります。
  ~♪ ・・・・・
     見る。ただそれだけだ。
     花を見ることは、花たちと話すことだった。
     そのようにして、花たちと話す方法を、
     年々、夏の花たちに、
     わたしは、教わってきた。
     徒にことばで語ってはいけないのだ。
     花たちのように、みずからの
     在り方によって語るのだ。
     夏が巡りくるたびに、
     真昼の静けさの中を歩き、
     語りかけてくる夏の花たちを捜す。
     ・・・・・
     花たちではないだろうか。
     人ではない。 わたしたちが、
     歴史と呼んできた風景の主人公は。   ♪~

  田植えが終わったばかりの田んぼの畦道に、ユウゲショウ(?)、タンポポ、ヤナギハナガサ(?)が咲いています。ハナショウブも。 花たちは優しく語りかけてくれます。
Boushu2016k101Boushu2016k101_01Boushu2016k101_02  

 

 

 

   長田弘さんの「奇跡」という詩の一節です。
   ~♪ ・・・・・
      ただここに在るだけで、
      じぶんのすべてを、損なうことなく、
      誇ることなく、みずから
      みごとに生きられるということの、
      なんという、花の木たちの奇跡。
      きみはまず風景を慈しめよ。
      すべては、それからだ。              ♪~

 ただここに在るというだけの存在。ただここに在るだけで、無言で示す命の素晴らしさ。損なうことなく、誇ることなく、みごとに生きる。無言で語る植物たちの奇跡。
 ユウゲショウ(?)。ハナショウブ。まだ赤ちゃんの柿の実。
Boushu2016k201_01Boushu2016k201Boushu2016k201_02  

 

 

 

   文化パルク城陽のアジサイ。キンシバイ(?)。ちょっとした憩いの空間です。
Boushu2016k301Boushu2016k301_01Boushu2016k301_02  

 

 

 

 

   今の時期、田植えの作業がどんどん進んでいます。もうかなり終わりました。
Boushu2016k301_04Boushu2016k302Boushu2016k301_03  

 

 

 

   田植えが終わると田んぼの風景は一変します。田んぼには水が供給され、その上に雲を浮かべた大きな空が広がります。水は雲を写し、風が渡っていきます。今の時期だけに出現する水の国です。
     ~♪ 楽しさや 青田に涼む 水の音 ♪~    (松尾芭蕉)
Boushu2016k401Boushu2016k403Boushu2016k402  

 

 

 

   風が、水の上にキラキラと光る足跡を残して渡っていきます。
 小さな苗の間を、微かな風が光と遊びながら通っていきます。
 塊となって進んでいく風。時には、見えない風の形を見ることができます。
Boushu2016k601Boushu2016k602Boushu2016k601_01  

 

 

 

    田植えの終わった田んぼで、カモの夫婦がのんびり。
 青サギ君は、田ウナギを捕まえたようです。
Boushu2016k703Boushu2016k701Boushu2016k702  

 

 

 

 

   水には心を癒やす効果が在りそうです。水の国の散歩はいいですね。
 夕暮れが迫ってきました。遠く比叡山が見えています。
Boushu2016k801_02Boushu2016k801_01Boushu2016k801  

 

 

 

   夕焼け雲を写し、暮れてゆく水の国です。今の時期にしか見られないとっておきの夕景です。稲の成長は早いです。間もなく青田に変身します。
Boushu2016k901Boushu2016k903Boushu2016k902  

 

 

 

   次は、吉野弘さんの詩を紹介してみます。「名付けようのない季節」より。
 ~♪ ・・・・
    さて 二十世紀の後半に生きるぼくらは
    何に 悔いなく魂をやっていいのか。
    ・・・・
    樹木がそのすべてを
    少しのためらいもなく
        春にゆだねようとしているのを見ると
    そのすばらしさに胸をうたれる。
    そして気付く。ぼくらの季節が
    あまりにも樹木の季節と違うことに。  ♪~

  私たちの魂は、樹木の季節をはずれて、どの季節を彷徨っているのでしょうか。
  木津川土手の大榎は、葉を青々と茂らせ、すっかり夏仕様になってきました。木漏れ日が優しく揺れています。風に鳴る葉の音以外、大榎は無言です。
Boushu2016k9101Boushu2016k9102Boushu2016k9103  

 

 

 

   では、お別れは、風に揺れる大榎と吉野弘さんの詩「木が風に」です。
 ~♪ 木が風に
    ・・・・
    甘えて風につかみかかり、やさしく打たれ
    幹は揺れて静かな悦楽を泳ぐ。
    蜜月の喃語に近く
    意味を成さない囁きをかわし、戯れ、睦み合い
    木と風は互いに飽くことがない。   ♪~
    次の節気は、夏至です。 では。 また。
Boushu2016k9101_01Boushu2016k9102_01

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2016年6月 7日 (火)

二十四節気「芒種」2016・前半

6月5日は、二十四節気の一つ「芒種」でした。 暦便覧には、「芒(のぎ)ある穀類、稼種する時也」とあります。稲や粟などの芒のある種子を播く頃という意味です。この節気は、丁度、梅雨の時期にあたります。 蛍が飛びかい、梅の実も熟す頃です。
 では、この時期の木津川土手を散歩しましょう。体調が悪く久しぶりの散歩です。

 季節はいつも交差点に立っています。来るものと去るものの行き交う交差点です。通り過ぎてゆく季節の花や風景にはいつも驚かされます。
 土手に上がるときには、季節に合わせ空が大きく広がります。空は、季節を語る風景の舞台装置です。今日は、絹層雲が迎えてくれています。
 春に、あんなにも土手を黄色く染めていたカラシナは、今は枯れてノアザミに席を譲り、そのノアザミの背後には栗の花が咲きました。この花が散り始めると梅雨入りです。
 「栗花落」と書いて、つゆ又はつゆりと読みますね。
Boushu2016001Boushu2016001_01Boushu2016001_02  

 

 

 

   土手のネズミムギも赤茶色に変色して、種を付けています。麦秋という感じです。アカツメグサも少し黒ずんで風に吹かれています。こんな風を「麦嵐」、「麦の秋風」と言うんでしょうね。ノアザミも、多くは白い種を付けています。残された花に蜜を求めて蝶が来ています。
Boushu2016001_03Boushu2016001_05Boushu2016001_04  

 

 

 

   今の時期、新たに土手の主役としてやって来たのは、ヒメジョオン(姫女菀)です。よく似た花にハルジオン(春紫苑)というのがありますが、ジョとジと、言葉遣いまでよく似ていますね。北米原産で、明治の頃日本にやってきてすっかり定着しました。1個体あたり数万の種子をつくり、その種子の寿命が35年と、驚異的な繁殖能力の持ち主らしいです。要注意外来生物で、侵略的外来種ワースト100にも選定されているそうです。
 見かけによらず悪女?。 悪男? 土手はヒメジョオンの花盛りです。
Boushu2016101Boushu2016101_01Boushu2016101_02  

 

 

 

   ヒメジョオンは、北米から遙かな旅をしてきた放浪の花です。鉄道線路に沿って日本全国に広がったので、ヒメムカシヨモギと共に、鉄道草と呼ばれたりしています。
  hobo(ホーボー)という古い英語があるそうです。放浪者という意味だそうです。
 19世紀末から20世紀の初めの頃、鉄道に無賃乗車しながら職を求め、大陸を根無し草のように放浪した人々がいたそうです。多くは、鉄道建設に従事する未組織の季節労働者だったようです。この人たちの中には、日本からの移民も含まれていました。「ホーボー」とは、日本語の「方々に行く」が語源だという説もあるそうです。
  鉄道の広がりと共に、建設労働者として自由を求め、方々に渡り歩いた人々。鉄道線路に沿って広がった放浪の花。 花も人も原点は放浪? 人生は旅?
Boushu2016201Boushu2016201_01Boushu2016201_02  

 

 

 

   古川の土手も、ヒメジョオンが花盛り。土手の風景にすっかり溶け込んでいます。
Boushu2016301Boushu2016302Boushu2016303  

 

 

 

   土手下の広場で遊ぶ子供。
 夕陽の中のヒメジョオン。遠い放浪の果てに、故郷を思出しているのでしょうか。
Boushu2016401_02Boushu2016401_01Boushu2016401  

 

 

 

   ホーボーhoboと呼ばれた人たちは、風にまかせて日々を生きました。土手にも、風に身を任せて生きているように見える雑草がいます。漂泊感を漂わせるツバナです。白い穂が風に揺れています。風になびくことへの罪の意識にじっと耐えているのか、それとも、風と共に生きることを信念としているのか・・・。お前の場合は?と問い返されても、私にあるのは、ただ・・・。
Boushu2016501Boushu2016503Boushu2016502  

 

 

 

   ツバナの穂を吹き散らしていく、梅雨入りの頃に吹く湿った南風を「茅花流し」というそうです。「茅花流し」の吹き渡る土手に夕陽の時間が迫ってきました。
 カラスムギの穂も揺れています。   漂泊の歌人山頭火の言葉。
 ~♪ 私は雑草的存在に過ぎないけれどそれで満ち足りている。
    雑草は雑草として、生え伸び咲き実り、
    そして、枯れてしまえばそれでよろしいのである。♪~
   ~♪ 雑草そのままに咲いた咲いた ♪~
Boushu2016601Boushu2016601_01Boushu2016601_02  

 

 

 

   土手の茶畑では、茶摘みもほとんど終了しました。この茶畑が最終のようです。
 黒いシートが風に揺れています。  
 では、「芒種」前半はこの辺で。
Boushu2016703Boushu2016702Boushu2016701  



| | コメント (2) | トラックバック (0)

2016年6月 3日 (金)

タックス・ヘイブンを考える

 先日、あるテレビ局の報道番組でパナマ文書のことが取り上げられていて、解説者の方が、『タックスへイブンを使って課税逃れをしている人がいる。法人税や所得税の税率を上げれば、ますます所得は海外に逃げていく。税は消費税を基本にしていくべきである。』と解説していました。あまりにも程度の悪い解説に怒りが湧いてきました。
 それで、自分なりに、タックスヘイブンの問題について整理することにしました。

  【資本主義と社会保障】
  資本主義とは、資本を投資して利潤を得る仕組みです。資本を持つ側には利潤が集まり、利潤が資本となり、さらに利潤が生まれます。そのまま放置すれば、経済格差が広がり社会は不安定化していきます。
 これを経済学者ピケティ氏流に言えば、r>g です。
   r=資本収益率、g=国民所得成長率です。
  つまり、国民所得が増加する以上の収益が、資本の側に集まるというわけです。
 ピケティ氏は、過去の税務資料などを調べ、理論としてではなく歴史的事実として、この法則にたどり着きました。

 この資本主義の弱点を緩和するため、社会保障という制度が生まれました。
 国家が、資本の側に集まった利潤を累進所得・法人課税により回収し、資本を持たない側に、社会保障として分配する制度です。富の再分配です。
 もし、この制度が機能しなくなれば、貧富の格差は拡大し、社会は荒廃していきます。
多くの人が貧困化すれば、購買力が失われ、経済恐慌やデフレ進行の危険も増していきます。

  【新自由主義とは】
  資本は利潤を求め世界を駆けめぐります。現代の資本主義は、「新自由主義」の時代に入りました。新自由主義とは、資本が、安い労働力と資源を求めて世界を駆けめぐる経済システムです。世界に展開する多国籍企業の利益が優先されるシステムです。
 新自由主義は、生まれながらの本質として、社会保障の削減、低賃金労働、企業活動の無制限の自由を主張します。
 新自由主義的な政策の特徴とは、「規制緩和」と「民営化」に代表されます。
 具体的には次のようなものです。(日本を例に)
 ★資本の側に蓄積した利潤を社会的弱者に分配する働きを持つ社会保障、それに振り向けられる利潤を削減します。
 ★労働に掛けられた規制を緩和し、派遣労働などの非正規労働を増やし、企業が安い労働力を使えるようにします。現在、非正規労働は4割を超えました。実質賃金もずっと下落中です。
 ★公共が担ってきた保育、教育、介護などを民営化し、安い労働力を利用して、この分野からも利益を得ます。
 ★法人税・所得税率を引き下げ、代わりに逆進性の高い消費税率を上げます。
 ★農業、漁業、医療、介護などすべての分野で規制を取り払い、競争原理を持ち込み、企業活動の自由を広げます。すべてが自己責任の世界です。
  ★TPPなどの多国籍企業の利益を誘導する協定を進めます。(ISD条項など)
  その結果、自国の農業や国民皆保険、食品の安全規制などを危険にさらします。
     ・・・・・・あげていくときりがないくらいです。
 要するに、新自由主義とは、多国籍企業の利益を擁護し、自国の国民の社会保障、労働環境などを破壊してまでも、グローバルに利潤の蓄積を行っていくものです。

 日本の上位100社は多国籍企業として世界展開しています。多国籍企業が、安い労働力を使い、自国の課税を逃れ、世界的に得た利潤を蓄え、それを再投資する舞台、それがタックスヘイブンです。
 タックスヘイブンは、グローバルな新自由主義経済が持つ本質的な問題なのです。新自由主義政策を進める各国政府が、タックスヘイブンへの取り組みに踏み出せない理由は、ここにあるわけです。

 【広がる格差】
  現在、新自由主義経済の下で、世界的に富の格差はどれくらい大きくなっているのでしょうか。
  貧困と不正を撲滅するために世界100ヶ国以上で展開するイギリスのNGO、オックスファムの報告書「An Economy for the 1% 」によれば、「62人が所有する富と、世界の所得の低い方の半数が所有する富とが、等しい」と言っています。
 国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は、タックスヘイブンにある秘密情報を入手し、それを暴露しました。そのうちの一つが、今回のパナマ文書です。世界の富裕層の富は、課税を逃れ、タックスヘイブンなどに隠されていると思われます。

  【タックスヘイブンに隠された資産は?】
 では、タックスヘイブンに隠された資産はどれくらいあるのでしょうか? そもそもタックスヘイブンには資産が本当に隠されているものなのでしょうか?

◎ピケティ氏の著書『21世紀の資本』(p483~)に、そのことが書かれています。
 IMFなどの公式統計に表れた各国の対外資産を合計すると、貸す国があれば借りた国があるわけなので、各国の対外資産を合計すれば、当然0になるはずです。ところが、0にはならずに、全世界の合計はマイナス収支になっているといいます。日本、アメリカ、ヨーロッパなどの富裕国は合計すると、全世界の資産の4%分もマイナスになっているそうです。ピケティ氏は、「地球は火星に支配されているように見える」と述べています。この収支の合わない部分がタックスヘイブンに隠された資産です。
 ピケティ氏は、ガブリエル・ズックマンの研究を紹介し、タックスヘイブンに隠された資産は、全世界のGDPの10%以上にのぼる可能性があると述べています。
 世界のGDPを8000兆円とすると、これは800兆円になります。

 ◎タックス・ジャスティス・ネットワーク(TJN)は、イギリス下院で発足したNGOですが、この報告によると、タックスヘイブンに隠された世界の富は、2100兆円~3200兆円にのぼると推計しています。これは、世界のGDPの3分の1です。

 【日本では】
 先日5月24日に発表された日銀の国際収支統計によると、「対外証券投資残高」は423兆円となっています。このうち、ケイマン諸島にあるタックスヘイブンだけでも74兆円の投資が行われているとのことです。有価証券報告書に登場するタックスヘイブン子会社だけでも、524社にのぼるということです。匿名会社やペーパーカンパニーも入れると、かなりの数になると思われます。
 先日の国会でも、ユニクロの柳井氏による、慈善信託(チャリタブル・トラスト)という手法での課税逃れが指摘されていました。
  過去にはオリンパス事件もありました。アマゾン社やアップル社の日本法人が、日本へ税金を払っていない問題などは、以前から指摘されています。

 政府税制調査会の志賀櫻氏は、「アメリカの内国歳入庁(IRS)は、2001年に2900億ドルの課税逃れが発生したと議会に報告していたが、日本では推計さえしていない。驚くべきことだ。」と述べています。日本政府の対応は、もっと非難されるべきです。

 非正規労働の増加、消費増税、国家戦略特区、TPP、医療の混合診療解禁・株式会社化などの政策に反対することも、タックスヘイブンを利用した多国籍企業の課税逃れを追求することも、根っこは一つ、「新自由主義の暴走!」を止めることです。「新自由主義」という視点を抜きに、現代の政治や経済を正しく捉えることはできませんね。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2016年5月 | トップページ | 2016年7月 »