二十四節気「清明」2016
4月4日は、二十四節気の「清明」でした。江戸時代の暦便覧には、「万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれる也」とあります。百花が咲き乱れ、木の芽たちも一斉に芽吹き初める、まさに盛春の頃です。桜の花が満開となっています。
早速、木津川の土手を目指して散歩に出かけましょう。
真っ直ぐ西へ進み踏切を渡ります。踏切前の公園に桜があります。電車が行きます。
たんぼ道を進むと、畦道にはレンゲが咲いています。
耕作放棄地と思われる空き地に白い桜が咲いていて、その付近にタンポポ、ホトケノザ、スミレなどが咲き乱れています。
万葉の頃は、花と言えば梅でしたが、今や日本人にとって花と言えば桜です。しかし、桜は春の花の代表には違いないですが、桜だけが花と主張するのは、ちょっと了見が狭いように思います。他の花もがんばって咲いています。
古川の土手では、桜のピンクとカラシナの黄色と柳の緑。青い空に白い雲。魚取りの親子。ヒバリのさえずり。春の風。・・・まさに春の世界。
土手の上は桜が満開です。散歩する家族。弁当をひろげる人たち。サイクリングを楽しむ人。(バックの山は愛宕山) 人々が、それぞれに桜を楽しんでいます。
私は最近、体調も悪く活動量も落ちてきています。ぼんやりと桜をみていると、今年の桜が最後の桜になるかも知れないという漠然とした思いが湧き上がってきます。
詩人の茨木のり子さんに、「さくら 」という詩があります。
~♪ さくら
ことしも生きて
さくらを見ています
ひとは生涯に
何回ぐらいさくらをみるのかしら
・・・・
なんという少なさだろう
・・・・
さくらふぶきの下を ふらふらと歩けば
一瞬
名僧のごとくにわかるのです
死こそ常態
生はいとしき蜃気楼と ♪~
青い空と流れる白い雲。桜。・・・・美しさは悲しみを内包している・・。
死は常態。生は蜃気楼。茨木のり子さんが蜃気楼のようにこの世を去って、ちょうど10年になります。
富野の桜堤では、カラシナがよく咲いていて、桜とカラシナを組み合わせて撮ることができます。
なぜか女の子三人組が、盛んにジャンプを繰り返しています。飛び上がる若者。いいですね~♪。自転車にスマホをセットして、飛び上がったところを自撮りしようとしているようですが、うまくいかないようです。実に楽しそうで、こっちまで笑えてきます。
私の写真の流儀としては、道のラインを意識して撮ることが多いです。
真っ直ぐな道。曲がった道。柵の続く道。花が満開の道。花の咲き乱れる道の先には何が待ち受けているのでしょうか。 石垣りんさんの詩よりです。
~♪ ・・・・
明日にはもう衰えを見せる
この満開の美しさから出発しなければならない
遠い旅立ちを前にして
・・・・
花たちがみんなで支度をしていたのだ。
遠くから
まぼろしの花たちがあらわれ
今年の花を
連れ去ろうとしているのが見える。
・・・・
そうして別れる
私もまた何かの手にひかれて。 ♪~
人は、何かの手にひかれて見えない道を歩むのです。何処とも分からない場所に向かって・・・。石垣さんが手を引かれていってから、12年になりますね。
桜の道を行く人たちです。楽しい我が家へ? それとも・・?
母と娘。犬を散歩させる人。散歩の二人。
傾きかけた陽に照らされて、桜が赤く染まり始めました。私には、この時間帯の桜が最も美しいと思えます。 遠くに、京都市の最高峰愛宕山が青く見えています。
早くも夕陽の中、桜が散り始めています。散る花びらを手で受け止めようとしているのでしょうか、女性が手を差し出しています。受け止めるのは花びら? それとも・・?
美しい夕日が沈んでいきます。今日一日、悔いなく生きられたでしょうか?
自問をくり返しても、確かな答えはありません。
お別れの二枚と茨木さんの詩より抜粋です。
~♪ ・・・・
今日
凄みのある夕陽を見送りました
今日
生きなかった者は
明日も
遂に生きないだろう
燃えて燃えて
夕陽は哲学者のように沈みました
・・・雲を 刻々 染めながら ♪~
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コメント
墓石さん こんばんは。(*^-^*)
桜の時期は実に様々な花が咲き、もう忙しい
位ですね。古川の野の花、流石に素敵です!
蓮華がもう咲いてるのですね。園芸種も咲くし
忙しい事です。
流れ橋の方から土手に登れば桜並木がありましたが、
私が行った時は蕾でしたが、あの並木でしょうか?
木津川も本当に解ってないのですよ。夕日に染まった
桜はピンクに輝き美しいですね!大好きです。
貧血が辛いですか?今日も夫の検診について行きました。
年代が進むにつれ、病を通し、今年の桜が最後か?
って思いますね。これって神のみが知るのですが。。。
投稿: 輝子 | 2016年4月11日 (月) 18時30分
輝子さん、こんばんは。
城陽市の木津川土手は、寺田堤に桜があります。
流れ橋に近いのは、この桜です。たぶん輝子さんが通られたのは、
この桜だと思います。桜の頃は、焼き肉の臭いが立ちこめます。
車で富野荘から上がったところにも、桜堤や大榎があります。
ここは、人が少なくゆったりとできます。
今年は、天気が悪かったり、体調が悪かったりで、不燃焼な桜に終わりました。
来春まで、何とか生き延びたいです。
輝子さんのブログ拝見しています。先日の大雨で桜は終わりと思っていましたが、
宇治田原は、まだけっこう残っていたんですね。
投稿: 墓石 | 2016年4月11日 (月) 20時23分
墓石さま おはようございます。
うわ~!いいですね~。春はやっぱりいいですね~。
「タンポポ、ホトケノザ、スミレなどが咲き乱れている!」
スミレは大好きな思い出の花です。
でも、私の家の近くではほとんど見かけません。
菜の花と桜と柳と青空、本当によく似合いますね。
人がみんな生き生きしていて、楽しそうです。
ジャンプしている少女を、
黄色い風船で応援されている墓石さまの優しさが伝わってきます。
たぶん丸ごと1匹の魚をさばいたこともないような少女たちも、
やがては散る花びらを手で受け止めて…
どこかにずっと続く道を歩んでいくのでしょうね。
なんだかとっても感動する写真と詩のご紹介、
ありがとうございました。続きが楽しみです。
来年も、この桜を見れますように。
投稿: ひかる | 2016年4月12日 (火) 10時31分
ひかるさん、こんにちは。
野の花。桜の花。春はほんとにいいですね。
しかし、桜もあっという間に終わってしまいました。
ジャンプしていた少女たちも、新学期が始まり苦労しているかも知れないですね。
頑張ってほしいものです。・・・「俺らは頑張らなくてもいいんか?」と、
男子の声が聞こえてきそうな・・・。気のせいか?
桜も終わり、これから木津川土手は、しばらくカラシナの世界になります。
体調に合わせて、また散歩に行ってきます。
投稿: 墓石 | 2016年4月12日 (火) 17時39分