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2014年7月

2014年7月31日 (木)

シルク・ドゥ・ソレイユ「オーヴォ」感想

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  一昨日、シルク・ドゥ・ソレイユ「オーヴォ」の大阪公演に、妻に誘われて行ってきました。サーカスの公演という以外、何の予備知識もなく、半分気の進まないまま、暑い中渋々、大阪中之島まで出かけました。
 サーカスと言えば、空中ブランコや綱渡り、猛獣使いにピエロなど、だいたい子供の喜びそうなものという固定観念が私にはあります。また、何かもの悲しさを感じさせるのも、サーカスに対する私のイメージです。中原中也の詩に「サーカス」という詩があります。空中ブランコを題材にして、郷愁や自己の存在の不安な感情を詠ったものです。
 「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」ですね。

 さて、いきなり公演の感想です。
 私のサーカスに対する固定観念やイメージは完全に破壊されました。確かに、綱渡りも空中ブランコ、軽業もありました。大道芸のようなジャグリングや体操競技のような筋肉技もありました。素晴らしい演技でした。しかし、それは、単に素晴らしい演技の羅列ではなく、ストーリー性を持って構成されていました。出演者は昆虫の衣裳を着ていて、音楽に合わせてすべての演技が進むのです。そして、虫たちの命の躍動や恋の物語が描かれるのです。オペラか舞踊劇を見ているという感じでした。
 それから、もう一つ驚いたことがあります。それは、言葉の問題です。ストーリーを語るためには、言葉が必要と考えるのが普通です。しかし、使用されている言葉は、虫の声を模した擬声や叫び、鳴き声といったもので、通常の言語ではないのです。「言葉でない言語」と言うべきものです。「言葉でない言語」により、ストーリーが語られていくのです。また、道化師の使う「言葉ではない言語」の指示によって、手拍子をしたり、声を出したりして、観客も一緒になり楽しんでいたのです。通常の言葉によらなくても人はつながることが出来る、本当に人と人を結びつけているのは「言葉ではない言語」ではないのか、そんな思いを抱きました。
  「言葉でない言語」により語られる、虫たちの生命の躍動。恋の物語。シルク・ドゥ・ソレイユ「オーヴォ」、お薦めします。 「オーヴォ」公式ホームページもあります。興味のある方はどうぞ。    では。また。

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2014年7月25日 (金)

臨時の診察

 今日は、KS病院での臨時の診察日で、先日の超音波検査と内視鏡検査の結果に基づいて、今後の方針を決めることになっていました。朝から30℃を越えているという猛暑の日でした。
 エコー検査の結果は、脾臓の肥大化は、以前と比べ急激な肥大化は無いと言うことでした。また、内視鏡検査では、萎縮性胃炎があるということでした。結局、急な体重減少の理由は、検査の結果では分からないということです。最近では、しだいに体の不調はなくなり、少し元気を回復してきているので、今後さらに範囲を広げて検査を続けるのは、しばらく様子をみることになりました。
 血液内科の診察の後は、消化器内科の診察にまわり、ピロリ菌の除去をすることが決まりました。せっかくの機会だから、やっておいても悪くないという薦めに従うことにしました。あまり本体の病気とは関係ないですが、ついでにです。
       次は、2週間後に定期診察です。 では。

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2014年7月23日 (水)

二十四節気「大暑」2014

 7月23日は、二十四節気の一つ「大暑」です。江戸時代の暦便覧によれば「暑気いたり つまりたるゆえんなれば也」です。夏の土用の頃。学校は夏休み。空には雲の峰。蓮の花。蝉の声。一年中で最も暑い時期に突入です。
 この節気の七十二候は次の通りです。
 ★初候:7/23~ ;桐始めて花を結ぶ   桐が実を結び始める頃
 ★次候:7/28~  ;土潤いてむし暑し   土が湿って蒸し暑い頃
 ★末候:8/02~  ;大雨時々に降る    時々大雨が降る頃
       8月7日が次の節気「立秋」です。

 近畿地方は、21日に梅雨明け宣言が出ました。いよいよ、本格的な暑い夏が始まりました。ではさっそく、今の時期の木津川土手周辺を散歩しましょう。と言っても、今回は体調が悪く、あまり散歩に行けてないですが・・・。まあ、それでも頑張って、今回は特別に組写真に言葉を添えて、下手くそな写真詩風にやってみます。

         「夏に」

      暑いから夏になったのではない
   蓮の花が咲き
   白い夏雲が湧き上がり   
   青田の上を風が吹き渡ってゆく
   風景が夏を語ったから夏が来たのだ
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   暦が知らせたから夏になったのではない
   水の上のアメンボウ
   ワルナスビの針
   花に潜むハラビロカマキリ
   すべての命が夏を知らせているのだ
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   夏が来たから涙が流れるのではない
      焼け跡に夾竹桃が咲いた夏
   二度と帰らない少年の日の夏
   わすれ草を胸にした夏
   夏の想い出が涙を連れて来るのだ
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   夏が来たから暑いのではない
   遠く見つめる先に平和はあるのか
      ホオジロよ
   人はどこから来てどこに行くのか
   無言の空蝉よ
      思いを込めるから暑いのだ 夏よ
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   では、その他の写真を紹介しましょう。
 まずは、蓮の花が咲きました。2、3枚目は、恥ずかしがり屋の蓮です。
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   空を丸い雲が流れていきました。
 田んぼに給水です。ちょっと勢いが強すぎないか? どうなっているのか?
 土手に上がると、青田が広がり、夏雲が湧き上がっています。
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   久しぶりに慈姑を栽培する人と話が出来ました。かって上鳥羽の湿地帯で栽培されていた、京の伝統野菜・慈姑を栽培している農家は、ついにこの人だけになったそうです。カラスや亀に苗を食べられてしまうので、食べられたところに、苗を補充しているとのことでした。
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   では、お別れの3枚です。
 道ばたで見つけた美人の案山子。青いドレスがなかなかのものです。
 入道雲から落ちる雨。漏れてくる光。乙訓方面はにわか雨のようですね。
 流れ橋の夕日です。  では。 次は「立秋」です。
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2014年7月20日 (日)

J・ダワー、G・マコーマック著「転換期の日本へ」

Tenkanki101   ジョン・W・ダワー、ガバン・マコーマック共著〈 転換期の日本へ―「パックス・アメリカーナ」か「パックス・アジア」か 〉(NHK出版) を読みました。紹介と感想を書かせていただきます。
 共著者のジョン・W・ダワー氏は、マサチューセッツ工科大学名誉教授。専門は日本近現代史・日米関係史。ガバン・マコーマック氏は、オーストラリア国立大学名誉教授。専門は東アジア現代史です。日本や東アジアを研究する二人の知日派海外研究者の意見は、感情的ナショナリズムにかき回されている多くの日本人に、今こそ冷静さが大切であることを語ってくれているように思います。

 テレビでは、「反韓」「反中」「反北朝鮮」ネタの報道があふれ、書店に行けば、この種の本が平積みにされています。「尖閣を守れ」、「北方領土奪還」、「中国は侵略的海外進出を強めている」、「北朝鮮の核・ミサイルの脅威」など、今、巷では感情的なナショナリズムが異様な高まりを見せています。この現象は何を意味しているのでしょうか?
 冷戦はとっくに終わったというのに、日本人の少なくない人は、知らず知らずのうちに、次のような考え方を持たされています。「日本はアメリカ核の傘に守られてきた」、「中国は共産主義で、アメリカは自由主義。したがって、アメリカは中国と戦ってくれるはず。」、「日米同盟がすべての基本であり、その範囲で集団的自衛権行使も必要」などなど。いったいこうした考え方は、歴史的にどのようにして形成されされたのでしょうか?
 これらの疑問に、二人の世界的大家が、この本の中で解答を与えてくれています。
 超簡単にですが、本書の内容を一部分を紹介します。一部分で申し訳ないですが。
 
 戦後、超大国となったアメリカは、「パックス・アメリカーナ」と呼ばれる影響力を全世界に広げました。日本は、サンフランシスコ講和条約と安保条約により、サンフランシスコ体制と呼ばれる「パックス・アメリカーナ」の中に組み込まれました。サンフランシスコ講和条約は片面講和であり、中国や韓国という、日本から最も謝罪を受けるべき国を排除し、日本を最も身近な近隣諸国から引き離す排除のシステムでした。また、安保条約は、ワシントンの当局者さえもが、戦後の最も不平等な条約と認めるものでした。この条約により、アメリカは、日本国内に欲するだけの基地を置き、沖縄を分割占領し戦略的「太平洋の要石」としたのです。第二次大戦は、ドイツ、中国、朝鮮などの分断国家を生み出しました。日本では忘れられているかのように見えますが、日本もまた分断国家となったのです。サンフランシスコ体制は、日本を近隣アジア諸国から孤立させ、アメリカ一国の覇権主義に依存させる構造だったのです。ダワー氏の言葉では、日本は「従属的独立国」、マコーマック氏の言葉では「アメリカの属国」として歩み始めたのです。
 ジョン・ダワー氏は、サフランシスコ体制が残した負の遺産を8つ指摘しています。
 ①沖縄と「二つの日本」  ②未解決の領土問題  ③米軍基地  ④再軍備 ⑤「歴史問題」 ⑥「核の傘」 ⑦中国と日本の脱亜 ⑧従属的独立
 「領土問題」については、次のように述べています。
 「アジア太平洋地域における5つの領土紛争は、サンフランシスコ講和条約にさかのぼることが出来る。アジアにおける共産主義の影響を阻止するというワシントンの包括的戦略に合致するよう、米国が最終草案に滑り込ませたものであった。」「北方領土は、二島返還で日ソの合意が進められたが、アメリカの恫喝により覆された。」・・・国境を曖昧にしておくことが、より日本をコントロールするのに役立ったわけです。
 「核の傘」という節でも、ダワー氏は、日本の従属性を鋭く指摘しています。
「核の傘」の下で生きるとは、日本政府にとって「傀儡政権」として生きることを意味しました。高まる反核運動に対して政府は、国内的には「核の平和利用」「非核三原則」などを装いつつ、朝鮮戦争で対中国への核使用を計画したアメリカと裏では密約を結び、国民を欺きながら二枚舌外交を進めたのです。日本は核兵器により被った悲劇の経験を構築し、核軍縮・核廃絶を促進する、力強くも指導的役割を演じる機会を、おそらく永久に失ってしまったと。
  第二章「属国―問題は『辺境』にあり」においても、ガバン・マコーマック氏のズバリとした指摘が続いています。
 第三章は二人の対談で、東アジア全体を俯瞰して、今後の方向性などが語られます。
  安倍首相は、「集団的自衛権の行使容認」を進めていますが、これは、対米従属の「軍事同盟」であり、「普通の国」にではなく、ますます「属国」化していくことです。
  ジョン・ダワー氏の言葉です。「不思議の国のアリス型倒錯・・・日本を売り渡している者が愛国者を名乗り、国益を守ろうとする者が反日的とされている。」
 マコーマック氏は言います。「日本がアメリカの属国であることは明白だ。そのため日本は、国連やG8、G20サミットなどの国際舞台で、大国にふさわしいしかるべき尊敬も受けられずにいる。」と。
 日本の今後の課題として、「…何よりも戦後日本政府が踏襲してきた米国依存の精神を捨て、政府も国民も自立する事が必要であろう。安倍首相とは違った形の『戦後レジームからの脱却』と、『日本を取り戻す』努力が市民の責務である。」と語られます。
 今、アジアに求められているのは、ワシントンから押しつけられた「パックス・アメリカーナ」ではなく、歴史の共通認識に基づく、一国覇権主義によらない、アジア諸国の共同による平和構築体制である「パックス・アジア」への転換であると。

 二人の意見は、日本のマスコミや保守的な人々が作り上げた日本観・戦後観とは一味違うものです。今の時代であるからこそ、二人の意見に耳を傾けることも、意味あることだと思います。    この本、お薦めします。

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2014年7月16日 (水)

超音波検査・内視鏡検査

 今日は、体調不良と急な体重減少の原因究明のため、KS病院でエコー検査と内視鏡検査を受けてきました。
 朝から何も食べず、水も飲まず出かけました。暑い日でしたので、喉が渇いてきて困りました。おまけに、内視鏡検査の嘔吐感を思い出すと、検査の前から何となく気分が悪かったです。
 さて、検査の結果ですが、エコー検査で見つかったのは、腸の中にガスが多いことと、まだ治療の必要のない胆石くらいなものでした。もちろん脾臓は肥大化していますが。
 内視鏡検査で見つかったのは、萎縮性胃炎とピロリ菌の強陽性反応でした。胃ガンになりたくなかったら、ピロリ菌の除菌をした方が良いと薦められました。
  内視鏡検査は、一度も嘔吐感を感じることもなく、無事終了しました。これは良かったです。看護師さんが、検査に当たった先生は名人なんですよと、こっそり自慢げに教えてくれました。本当でしょうか? 内視鏡のコードが、以前のものに比べ、細くて、柔らかいような気がしましたが・・・。

  結局、結論を言えば、急な体重減少を説明するようなものは見つかりませんでした。良かったような、悪かったような、ちょっと複雑な気分ですね。不安だけは、間違いなく残されました。                                                                 では。また。

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2014年7月11日 (金)

定期診察の日(75)・新薬承認情報

  今日は、KS病院での定期診察でした。台風通過後の蒸し暑い日になりました。
 最近、体調が悪く、体重がこの一ヶ月で2kg減りました。体のだるさもちょっと異常です。足の痺れや脇腹の違和感、微熱なども続いています。
 診察の結果ですが、血小板数は、少し増加して72万/μlでした。ヘモグロビンは前回とほぼ同じで、貧血傾向の低空飛行状態です。
 中性脂肪、カリウム、尿酸値、LDH、γGTPなども異常値のままです。
 糖尿病対策のための食事制限は止めて、食事量は以前よりもかなり増やしているにもかかわらず、体重が異常に減少しました。このことについて主治医は、消化器系の病気を疑ったようです。来週、消化管上部内視鏡検査と腹部エコー検査をすることが決まりました。別の病気が見つかるかも知れませんね。
     「弱り目に祟り目」。「 踏んだり蹴ったり」。「 泣きっ面に蜂」。
 ウーン。 適当な諺が見つからないですね。
   「案ずるより産むが易し」。「案じるより芋汁」。
 ウーン。ちょっと違うか?       では。また。来週。

 【新薬承認情報】
  もうご存じとは思いますが、新薬が承認されましたね。
   ★ノバルティス ファーマ: 抗悪性腫瘍剤「ジャカビ錠」の製造販売承認を取得
       詳しくはこちらから→http://www.novartis.co.jp/news/2014/pr20140704_02.html

   ★ノバルティス ファーマは、骨髄増殖腫瘍.net という情報サイトも公開しました。         詳しくはこちらから→http://www.mpn-info.net/index.html

   ★骨髄線維症の診断基準、治療方針、治療成績・予後などを詳しく知りたい人は、骨髄線維症の診断基準と診療の参照ガイド作成のためのワーキンググループ製作のPDFファィル「骨髄線維症診療ガイド第2版」に詳しく書かれています。
       こちらから→http://zoketsushogaihan.com/file/guideline_H25/6.pdf

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2014年7月 7日 (月)

二十四節気「小暑」2014

 7月7日は、二十四節気の一つ「小暑」でした。江戸時代の暦便覧によれば、「大暑来れる前なれば也」とあります。まもなく梅雨が明け、本格的な暑さが始まる頃です。蓮の花も咲き始めます。梅雨末期の大雨には注意が必要です。
 この節気の七十二候は、次の通りです。
   初候 :7/7~  ;温風至る      夏の風が熱気を運んでくる頃
  次候 :7/12~ ;蓮始めて開く    蓮の花が咲き始める頃
  末候 :7/17~ ;鷹乃ちわざをならう 鷹の雛が飛び方をおぼえる頃
         7月23日が次の節気「大暑」です。
  今年の「小暑」は、雨の中で迎えることになりました。沖縄方面に台風が接近していて、日本列島を直撃しそうな気配で、注意が必要です。昨年は、今頃梅雨明けが発表されていました。

 では、いつものように木津川土手で、「小暑」時期の季節と対話しましょう。
 土手の主役は、前節に引き続きヒメジョオンです。白い花をつけて、あちこちに群落を作っています。北米原産の要注意外来生物らしいです。明治時代に日本に入ってきて、鉄道沿線に沿って広がったので、ヒメムカシヨモギなどと共に、「鉄道草」と呼ばれたそうです。まさに鉄道に乗って遙かな旅をしてきた放浪者のような植物です。アメリカで世界恐慌の時代、土地から土地へ転々と放浪した労働者をhoboと言うそうです。語源は、日本語の「方々」だそうです。フォークソングが好きな友達から聞きました。アメリカ生まれのhobo草、嫌われながらも旅をしてきた、清楚なヒメジョオンにふさわしいですが、この友達は、冗談が得意なのでちょっと信用できないです。
 エノコログサも咲き始めました。
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  アカツメクサは、まだまだ花をつけています。花期は長そうです。準主役ですね。
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   土手の上から見るかぎり、田植えの時期の違いにより成長の違いはありますが、稲の成長は順調のようです。2枚目の写真、自転車のおばさんは、鳥観察の人です。双眼鏡で観察していました。今の時期、田んぼ周辺では、ケリが子育てをしているようです。
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   蓮田では、蓮が順調に生長してきています。まだ、本格的ではないですが、早い所では花をつけ始めた蓮田もあります。七十二候、小暑の次候は「蓮初開」ですね。
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  次は特別に、雨の日の鴻ノ巣山へご案内しましょう。
 鴻ノ巣山には、椎の巨木の森があります。雨が降ると静かな空間が広がり、その中で、水に濡れた木々の肌が青く光り、巨人が立ち尽くしているように見えます。「人はかって樹だった」と書いた詩人を思い出します。
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  樹によって集められた雨は、木の肌を伝い、所々で水滴となり地表をめざして落下していきます。
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   地表では、小さな次のいのちが準備されています。静寂が無言で語っているようです。「水はめぐり、いのちもめぐり、時の流れにすべてがうつろっていく」と・・・。
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   雨の季節といえばキノコです。キノコも雫を垂らしながら生きています。けなげです。
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    雨の季節といえばコケもあります。フィルムカメラで使っていた、壊れかけのマクロレンズしか持っていないので、苦労しました。ヤブ蚊にも悩まされました。
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   は、お別れの3枚です。     次は大暑です。
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2014年7月 5日 (土)

塩谷喜雄著「原発事故報告書」の真実とウソ 感想

Genpatu 塩谷喜雄著「原発事故報告書」(文春新書)を読みましたので、書評というような大げさなものではありませんが、紹介と感想を書かせていただきます。
 塩谷喜雄氏は、日本経済新聞の論説委員だった方で、本書で、4つの事故報告書を比較し、検証してくれています。

 最近のマスコミ報道では、しだいに反原発・脱原発的報道は少なくなり、「原発再稼働しなければ電気料金が値上がりする」、「貿易赤字の原因は、燃料輸入費増加である」、「経済成長をとるのか反原発をとるのか」といった印象の報道が増えているように思います。その結果、「経済か反原発か」を悩む人が増えていると思います。
 例えば、貿易赤字の原因について考えてみます。2013年の財務省貿易統計によると、火力発電の主力であるLNGの輸入量は、2010年に比べ25%増加しました。円は、1ドル80円から100円に、20円も円安になりしました。これは、円建てでは25%の輸入価格の上昇をもたらします。原発が停止し輸入量が増加したのと同じ影響です。また、LNGなどの燃料価格は、1.5倍に上昇しています。これは、輸入量増加分の2倍の影響があります。つまり、燃料輸入費増加の第一の原因は、円安と燃料価格の上昇なのです。まして、貿易赤字の最大原因を原発が動いていないことだと思わせるのは、一種の印象操作と言えます。

  前置きが長くなりましたが、今こそ原発について、私たちは一部マスコミの印象操作に流されず、冷静に考える必要があると思います。この本は、原発事故に対して出された4つの報告書(国会事故調、政府事故調、民間事故調、東電事故調)を比較検討して、冷静な評価をしてくれているように思います。
 著者は、原発事故報告を評価する視点として、次の6つを示しています。
  ①地震は事故原因でなかったのか?  (第2章)
  ②どれほどの津波に襲われたのか?   (第3章)
    ③津波がすべての原因なのか?       (第4章)
    ④炉心溶融は防げなかったのか?    (第5章)
    ⑤英断か?無用な介入か?官邸の対応  (第6章)
    ⑥事故調が調べなかった原発のリスク (第7章)
  第8章では、アカデミズムとジャーナリズムの罪について述べています。

 報告書に対する著者の評価の要旨をまとめてみます。(失礼ですが超簡単に。)
  【国会事故調】
 この報告書は、他の3つの報告書が「地震による破壊」がなかったという前提に立っているのに対し、地震の揺れを可能な限り解析し、津波の前の地震そのものので、原子炉がかなり損傷した可能性に迫っており、「津波主因説」を厳しく批判している点で、優れた報告となっている。
 しかし、必ずしも根拠のはっきりしない理由で、首相と官邸批判に走り、東電の責任回避に手を貸した結果となってしまっている。
 【政府事故調】
  政府事故調は、綿密な調査活動で事故の経緯を詳細に追い、同程度の地震・津波を受けながらも、何とか冷温停止している福島第二と比較検討し、福島第一における地震・津波後の事故対応に基本的欠陥があったことを浮き彫りにしている。この点で、優れた報告である。全電源喪失時のマニュアルが、全くものの役に立たなかったことなども明らかにしている。
 しかし、地震による無傷を主張し、津波主因説をとりながらも、津波についての検証どころか、地震学的な科学的確認作業すらしていない。この点は、論評に値しない。
 【民間事故調】
 事故の原因に科学的に迫るというより、現場の人間ドラマや首相官邸の動きに事故責任の矛先が向いており、東電の事業者責任には触れず、「政府が悪い」の大合唱はいささか異様である。「事故は官邸で誰かがボタンを押し間違えて発生したわけではない」。
 【東電事故調】
 合理的に責任を逃れる論理を、ひたすら追い求めた結果出来上がった胸の悪くなる文書である。十数万人に理不尽な避難生活を強いている事象を無視して、自社の原発プラントが壊れた事だけが「事故」だと語るこの報告書からは、地域独占の無残な品性が見て取れる。

 著者は、自身の反省も含め、メディアの責任についても言及しています。
 「『豆腐の上のおから原発』群が、大手を振ってまかり通ってきたのは、アカデミズムとジャーナリズムの貧困、あるいは衰弱の結果である。安全神話を繰り返し流し続けたメディアの存在無しに、原子力大国は存在し得なかっただろう。」
   「事故の核心部分である炉心溶融をめぐって、これだけ怪しい事態が続いているのに、メディアは一体何を報じたのか。ベントや海水注入で、安直な官邸批判を繰り返した新聞が、iPS細胞の心臓移植で、そろって大誤報をしたのは偶然だろうか」と。

 現時点で、原発事故の原因究明は、まだまだ十分に行われているとは言えません。東京電力の責任が十分に明らかになっているとは言えません。原発再稼働は急ぐべきではないと思います。著者の言葉に耳を傾ける必要がありそうです。
 「『なぜ』を問わないと、真実は隠蔽され、利権はたちまち復権する。原発の再稼働無しに、日本の復興・再生があり得ないかのような俗論が、自民党の政権復帰と共に、世を覆いはじめている。・・・・」(後書きより)。
                        では。また。

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