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2013年3月 5日 (火)

初恋の人と再会

 網野高校15期同窓会に参加し、半世紀ぶりに初恋の人との再会を果たしました。

  先日、私の出身校、網野高校の同窓会が祇園の和風旅館を会場に開かれました。高校の同窓会に参加するのは初めてです。私は、つきあいも狭く、無愛想な学校生活を送っていましたもので、知っている人がいなかったらどうしようなどと心配していました。
 しかし、心配は無用でした。クジを引いて着席すると、隣は、60歳台後半に入ろうというのに美しい女性です。かわいい大きな澄んだ瞳。真っ直ぐに伸びた背筋。高校時代、私の憧れの人だったT.Mさんです。間違いないです。
 適当なチャンスが到来し、彼女と話を始めましたが、な!な!な!なんと、彼女の私に対する記憶が定かでないのです。ラブレターも送ったのに。しかも卒業後しばらくたった時、一大決心をして、彼女を喫茶店に呼びだし、二人で会ったことがあるにも拘わらずです。
 彼女は、「告白するときは、もっとしっかり告白しなくちゃ・・・。」と笑いました。確かに、一度も「好きです」という言葉が入らない手紙が、ラブレターと呼べるものなのか疑問です。喫茶店で面白くもない世間話とチグハグな相づちを打つことは、告白と呼べないことは明らかです。私にしてみれば、手紙を出すという不自然な行為が、告白そのものだと思っていたのですが・・・。あ~、大きな間違いでした。ただの変な人でした。
 私は、高校時代、彼女の前では緊張でほとんど口も聞けない状態に陥っていました。一方的な悲しい片思いだったのですね。
 頭の中を、三好達治の詩、「Enfance Finie」がよぎりました。
     ・・・・・・・・・
  約束はみんな壊れたね。
     ・・・・
    今日記憶の旗が落ちて、大きな川のやうに、私は人と訣れよう。
  床に私の足跡が、足跡に微かな塵が・・・・・・、ああ哀れな私よ。
    僕は、さあ僕よ、僕は遠い旅に出ようね。

 さらに、金子光晴の「金亀子(こがね虫)」がよぎります。
    ・・・・・・・・・
          少年は身も魂も破船の如くうちくだけた。
     ああ、盲目の蘆薈や焚香にむせびつつ、
     少年は嗤ふべき見せ物であった。
           (恋の風流こそ優しけれ
                恋の堕獄こそ愛たけれ)

 憧憬と絶望。愛と嫉妬。理想と挫折。焦燥と怠惰。出口のない閉じられた心の闇の中を迷い続けていた青春時代でした。しかし、彼女のお酌で、酒を飲む日がやってくるとは、夢にも思わなかったです。実に、青春時代が蘇るひとときでした。
 青森県の大学で医学部の教授になっているA君も、はるばると参加していました。半世紀ぶりです。丹後から泊まりがけの参加の方もいて、ふるさとの最近の話も聞くことができました。経ヶ岬に自衛隊の高性能レーダーが配備されることが、すでに話題となっていました。
 夢のような時間を過ごせました。ありがとうございました。みなさんお元気で。

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