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2013年1月18日 (金)

生活保護基準引き下げ問題

 先日、社会保障審議会の答申を受けて、政府が生活保護基準を引き下げる方針であることが一斉に報道されました。この答申では、保護を受けていない低所得層と保護世帯とを比較し、非保護の低所得層の中で、保護世帯よりも収入が少ない層のあることが指摘されています。例えば、20歳~50歳の単身世帯や母と子一人の世帯では、生活保護世帯より低いことなどです。この理由により、生活保護基準を引き下げようというのです。この訳の分からない理屈に、腰が抜けるほど驚きました。まともに働いても生活保護基準以下でしか生活できない人が多数いることこそが、大問題なのです。保護基準の方を下げるというのはこじつけです。最低賃金を上げたり、労働者派遣法を改正したりすることこそが求められていると思います。自民党は、保護費10%カットを言っています。安倍自民党政権の正体が、一刻も早く見破られることを願って、この一文を書きます。

 【日本は生活保護後進国】
 まず、日本の生活保護はOECD加盟国の平均より、遙かに下であることをご存じでしょうか?
 ★人口に占める生活保護受給者の割合です。 
     日本0.7%、米国10.0%、イギリス15.9%、ドイツ5.2% 
                         OECD平均7.4%
  ★生活保護費のGDP比
   日本0.3% 、米国3.7%、イギリス4.1%、ドイツ2.0%
                         OECD平均2.4%
    (同志社大学埋橋孝文氏の「公的扶助制度の国際比較」より)

 日本は経済大国であるにもかかわらず、生活保護のための予算は少なく、保護世帯率も圧倒的に少ないのです。日本の貧困層は少ないのでしょうか?そんなことはないはずです。自由競争と自己責任の国であるアメリカの10分の1とは情けない限りです。
 日本の財政危機の原因を、生活保護費の増加と結びつけて考えるなどということは、とんでもない思い違いと言うべきです。

 【低すぎる日本の捕捉率】
 「生活保護の捕捉率」というのをご存じでしょうか? 「捕捉率」とは、生活保護基準以下で生活している人のうち、生活保護を受けている人の割合です。
 2010年4月に厚労省が、国民生活基礎調査に基づいて捕捉率の推計を32.1%と発表しました。研究者からは、高すぎるという異論も多く出ましたが、一応この数値が正しいとすると、現在の保護世帯は200万、したがって受給資格があるにもかかわらず受給できていない世帯が、400万世帯あることになります。
 生活保護問題対策全国会議が発表している世界の捕捉率を見てみます。
    日本18%、イギリス46~90%、フランス91.6%、ドイツ64.6%
  日本ではヨーロッパに比べると、保護が必要な人に行き渡っていないことが分かります。日本でしばしば起こる「餓死」や「孤独死」事件は、この辺に原因があるわけです。保護費を増やさないようにするため、役所が、受給を承認しない「水際作戦」をやっているのではないかという疑惑もあります。
 
 【不正受給に問題をそらすマスコミ】
 生活保護で必ず問題にされるのが不正受給の問題です。タレントの母親が生活保護を受給していたことを大々的に報道したり、不正受給こそが保護制度の大問題であるかのように報道するマスコミは、世論をミスリードしています。不正受給の金額は、全体の0.4%に過ぎません。不正受給は犯罪であり、調査を厳しくすべき問題です。保護基準を引き下げることとは関係はありません。数百万人の人が受給できていないことをこそ、問題にすべきです。

 【増加する非正規労働者】
 小泉構造改革で、それまで中間搾取制度として禁止されていた派遣労働が認められました。この結果、賃金コストの低い派遣労働者が激増しました。総務省の発表によると、2011年時点で、パート・アルバイト・派遣社員・契約社員などの非正規社員数は1733万人に達しました。
 年収100万円以下の人は400万人、年収200万円以下の人は1100万人に達しています。なんと、給与所得者4500万人の4分の1が、200万円以下の収入しかないのです。
 単身者で月収15万円程度の人(年収180万)は、保護基準にかかります。妻と子供が2人あれば、月収25万円(年収300万)の人はだいたい保護基準にかかります。では、年収が200万円以下の1100万人の人の中には、生活保護基準以下の人がどれぐらいいるのでしょうか? 考えただけでも恐ろしくなります。また、非正規社員の半数近くが、厚生年金に加入していないことも大問題です。この人たちが高齢化したとき、日本ではとんでもない事態か待ち受けているのです。
 日本の最低賃金の低さも先進国の中で最悪です。派遣労働の禁止、最低賃金の値上げ、雇用状態の改善は、待ったなしの状態です。
 消費税という逆進性の高い大衆課税を増税し、福祉を切り捨てる国を、誰が希望しているのでしょうか? 安い労働力を利用して多国籍企業が利益を追求する新自由主義路線の破綻は見えています。    では。また。

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コメント

墓石さん おはようございます。(*^_^*)

生活保護の件、日本はまだまだ少ないのがよく
解りました。

まず非正規労働者の多さを解消しないと駄目ですね。
格差が増えるばかりでしょ。若い方が可哀想ですよ。

町内は大企業の退職者が多く、貧困が見えないのです。
でも一歩出れば、、、よく解らせて下さり
有難うございました。

投稿: 輝子 | 2013年1月20日 (日) 09時28分

輝子さん、おはようございます。
私のつたない一文を読んでいただきありがとうございます。

私は、社会の矛盾がすくに気になるタイプで、黙っていられ
ないんです。損な性分です。学生紛争の世代だからでしょうか?

投稿: 墓石 | 2013年1月20日 (日) 10時30分

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