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2012年3月27日 (火)

税と社会保障の一体改革

 今、国会で問題となってい消費税増税と社会保障改革についても一言。
 『消費税増税の口実』
 「消費税を増税して、社会保障の財源とする。」これは、ほとんど詐欺的口実です。消費税5%増税分で13兆円になります。現在の国家予算の社会保障費は28兆円です。消費税増税分すべてを社会保障費に当てれば41兆円になるはずです。小学生でも計算できますね。しかし、そうではないのです。
 現在示されている計画では、5%のうち1%に当たる2.7兆円を社会保障の充実に当てるこになっています。ところが、年金の給付減額、子ども手当の減額、医療負担の増額、介護利用料の負担増などで、2兆円を越える支出がカットされるのです。実は、社会保障の充実に当てるという2.7兆円は、支出のカットでまかなえていることになるのです。社会保障予算が、今と同じ規模であれば、消費税は一円も社会保障に使われたことにはなりません。 消費税増税により「社会保障改革」をすれば、社会保障が今より充実すると、何となく思っている人が多いと思いますが、とんでもない誤解です。年金の給付減額、子ども手当の減額、医療負担の増額、介護利用料の負担増ときて、さらに年金支給年齢の引き上げと来れば、充実どころか切り下げです。「社会保障改革」は、完全に消費増税のための口実になっていますね。

 『社会保障の市場化』
 前に説明したように、新自由主義的政策は、国や自治体が進めてきた社会保障を「民営化」により、市場原理の中にとりこみ、そこから利潤を生み出そうとします。今提案されている「社会保障改革」のなかにも、その危険性を見ることが出来ます。
 今回の社会保障充実の目玉である「子ども・子育て新システム」を例に挙げてみます。この「新システム」をざっくり説明すれば、今ある幼稚園・保育所を「子ども園」として運営できるようにし、「子ども園」では、今までの幼稚園や保育所の機能に加えて、時間保育、託児所機能などの多様なメニューを準備し、保護者のニーズに答えらるようにします。これにより待機児童の解消を進めようというのです。この時、それぞれの子どもについて、要保育度というものが算定され、この要保育度に合わせて補助金が支給されます。保護者は、この補助金と自己負担金で、保育所とメニューを選び、個々に保育所と契約するのです。
 保育は社会保障であり、社会保障は国が責任を持ち進めるべきものです。行政は、保育所を増設し、待機児童を解消する基本的責務を負っています。しかし、新システムでは、行政は要保育度を算定し補助金を支給する、それから後は、基本的に保護者の責任となり、保育事業に参入した業者と保護者の契約により保育が行われます。要保育度を超える保育については、当然、自己負担となります。この新制度では、保育に対する考え方が根本的に変更され、保育が市場化されていることが理解できましたか?
 これと同じ考え方で運用されていシステムがすでにあります。そうです、介護保険です。介護保険では、要介護度が算定され、それに応じて介護費用が払われます。この費用を目当てに参入した介護業者と各個人とが契約し、介護が行われます。労働集約型の介護事業では、業者が利益を出すためには、介護職員を低賃金で雇うしかありません。介護業界の低賃金構造は、このようにして生まれているのです。保育の民営化も、同じようなやり方で進められようとしているのです。
 すべての公的サービスが、民営化され利潤の対象とされる、新自由主義的手法が理解できたでしょうか? 「子育て新システム」では、待機児童の解消がうたわれています。しかし、待機児童の大半は0~2歳児です。「子ども園」には、0~2歳児の受け入れは義務化されていません。これでは待機児童の解消は期待できません。保育職員の非正規雇用、低賃金化は、ますます進みます。混乱は広がる一方ですね。

   S君、少しでも参考になりましたか?

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コメント

財務省が「社会保障と税の一体改革」というネーミングを考えた時​点での、「社会保障と税の一体改革」の意味は、受益(社会保障)​と負担(税)の不均衡の調整ではないかと推測するが、国民の多く​は、「社会保障と税の一体改革」に対してそうとは思っていない。​むしろ、別の理解を持っている。
国民の多くは、消費増税の使途は、更なる社会保障の充実に使うと​理解している。この理解は、政治家・マスコミが流し続ける耳触り​の良い現実無視のメッセージによって植付けられたものである。残​念ながら、財務省の思惑(私見であるが「あるべき論」から言えば​正しい)とは異なった方向に進んでしまったのである。
「社会保障と税の一体改革」というネーミングを変更する必要があ​ると解する。一案であるが「社会保障の合理化と適正税負担の一体​改革」が新しいネーミングである。

投稿: みんなの税 | 2012年4月19日 (木) 12時50分

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