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2012年3月26日 (月)

地方分権改革と道州制

 S君、次は地方分権の話ですよ。

 『新自由主義の地方分権改革』
 「古い自民党的体制」の下では、地方自治は「3割自治」と呼ばれ、霞ヶ関官僚の支配下にありました。地方自治改革を主張していたのは、「革新勢力」の側でした。
 経団連のホームページ、「成長戦略2010」で確認することが出来ますが、新自由主義政策を進める現在の財界は、「地方分権改革」、「道州制」を主張しています。新自由主義の主張する「地方分権改革」を、かっての「革新勢力」の主張と混同して、歓迎している人が少なからずいます。新自由主義が「古い自民党的体制」を批判しているため、新自由主義の政策を「革新的」と見誤っているのです。

 新自由主義の主張する地方分権改革を超ざっくりと説明します。
 自治体を合併させ、大きなくくりにし、最終的には都道府県を廃止して、「道州制」にします。それにより、二重行政を解消し行政効率を高め、コストの低減をします。さらにコストを低減するため、現業分野の民営化を進めます。すでに、窓口事務、ゴミの収集、保育、介護、給食などは、民営化されている自治体もずいぶん多くなっています。これをもっともっと進めようというのです。民営化されれば、参入した民間企業は、非正規・パート労働など、低賃金の雇用を進め利益を出そうとすることでしょう。
 税源も一定限を「道・州」に委譲し、今まで国が進めてきた社会保障も、「道・州」に移行します。つまり、全国一律の社会保障は、地方ごとに違ってくるのです。こうなると、貧乏州に住む人は不利になります。行政は、さらなるコストカット、企業誘致を進め経済力をつけようとします。このように、地方自治は、新自由主義的な競争原理の中にたたき込まれていくのです。
 では、行政効率を上げ、コストカットで生まれたお金は、どのように使われるのでしょうか?社会保障のために使われるのでしょうか?
  その答えは、経団連・成長戦略2010のなかにあります。それは、道路、港湾、空港など、企業が活躍できる産業インフラ整備に使う、ということです。つまり、行政サービスや人件費を削り、生まれた財源を企業成長の経営資源として使おうというわけです。
 橋下市長が唱える大阪都構想、近畿州構想とは、財界のいう「道州制」の大阪版です。京都と大阪を高速鉄道で結ぼう。関空と大阪都心をリニアで結ぼう。大阪をアジアの中核都市に、などと大型プロジェクト推進を唱えています。橋下市長は、近畿州という大きなブロックの大きな財源を利用して、大規模公共投資を進めようとしているのです。
 近畿州内での地域格差の広がりも当然起こってきます。地方自治体の役割とは、やはり、きめ細かな医療・介護・福祉の住民サービス、地域経済に圧倒的割合を占める中小企業の育成、荒廃する農・漁・山村をを復興する地域作りなのだと思います。多国籍企業や巨大企業のための地方自治にしてはいけないと思います。小泉政権下で、三位一体地方分権改革が何をもたらしたかを見れば、すべては明らかです。

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