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2011年12月29日 (木)

カジノ資本主義

スーザン・ストレンジ著「カジノ資本主義」(岩波現代文庫)を読みましたので、感想を書かせていただきます。
 著者、スーザン・ストレンジは、この本の中で、現代の資本主義を「カジノ資本主義」と、初めて命名しました。この本は、1988年、今から20数年も前に書かれたにもかかわらず、実に新鮮で、現代の資本主義の本質を言い当てています。この本の書き出だしの部分を抜き出してみましょう。実に明快な書き出しです。
   「・・・・・西側世界の金融システムは急速に巨大なカジノ以外の何物でもなくなりつつある。毎日ゲームが繰り広げられ、想像できないほど多額のお金がつぎ込まれている。・・・・・自由に出入りができるふつうのカジノと、金融中枢の世界的カジノとの間の大きな違いは、後者では我々のすべてが心ならずもその日のゲームに巻き込まれていることである。・・・・・」
 「私たち一般国民もこのカジノに巻き込まれている」とは、実に本質を突いた指摘です。東京為替市場では、一日に15兆円~20兆円の取引、つまり博打が行われています。ニューヨーク市場では、一日当たり200兆円の博打が行われています。博打とは、もうける人がいれば損をする人がいるというのが原理です。リーマンショックでは、インチキな商品が取引され、一部の人は、大もうけをしました。逆に、危機に陥った銀行に大量の公的資金(元は税金)が投入されました。また、値下がりをした株を買い支えるため年金基金などから大量の投資が行われました。まさに国民のお金がバクチ場に投げ捨てられたのです。最近では、円売りドル買い介入が行われました。円高を利用して儲けようとする投機資本のために、大量の税金がバクチ場に提供されたのです。
 現在もなお、人の幸福とは無縁の、5000兆円ともいわれる投機資金が利益を求め世界を動き回っています。天候異変で食糧の供給が低下すれば、日本のような食料自給率の低い国は、投機の格好の餌食になりそうです。

 著書は、この「カジノ資本主義」に対する処方箋を「第7章カジノを冷やすこと」で書いています。その方法とは、「アメリカがまず行動することである・・・」と。しかし残念ながら、その後のアメリカが進んだのは、「新自由主義」という道です。世界の金融システムは、新自由主義の台頭により、ますます「カジノ」化が進行し、ついに深刻な世界的な経済危機、リーマンショックを引き起こしました。バクチの後始末のために、大量の公的資金(税金)が、各国で投入されています。もし、スーザン・ストレンジが生きていれば何と言うでしょうか? この本の最後を締めくくる言葉を書き出します。
  「金融カジノの熱気を冷やし、コントロールするための前向きの実践的処置が取られないならば、・・・・・・生き残った金融ギャンブラーだけが祝杯をあ上げているであろう。残りの者には、・・・・悲惨な終わりがやってくる。」 
  経済の知識の無い私には、少々難しかったです。  では。また。

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コメント

年末ですね。私も詳しくは解らないけど、大企業優先には
悔しいですよ。そして誰もデモもしない。これだけ中小企業
が悲哀を味わってるのにどうなんだろう?と思います。
先日三条河原町の角の店でもシャッターですよ。京極も駄目。

ところで夫がクワイを買って来ましたが、国産のはずが中国産。
生協で国産のは小さなパックで8個入り、398円。高い!
中国産のは3ぶんの1で買えます。しかし心配です!

投稿: T | 2011年12月30日 (金) 14時06分

Tさん、こんにちは。

同感です。ほんとにこの先、私たちの生活はどうなることでしょうね。
原発の輸出も進んでいくようです。腹の立つことが多いですね。

中国産という表示を見落としてしまったのですね。
Tさんの家では、おせちにクワイが入りそうですが、
うちの場合は、クワイはなしだそうです。サトイモを
炊くと言っていました。

投稿: 墓石 | 2011年12月30日 (金) 17時53分

墓石先生♪ 

こんばんは(^^)
幸い?なことに、ギャンブラー達(ハゲタカ・ファンド*背後にユダヤ系の財閥)は少しやり過ぎました(笑)
特定の国をターゲットにすれば良いのに、世界中、それも米国内でもそれを派手にやってしまい、国民の怒りを買ってしまいました(アメリカでの民衆デモ)。
そしてもっと幸いなことに、世界はWEBでつながれ、真実が一般の人に知れるようになりました。
年月はかかるでしょうけれども、偽りの『資本主義』はガタガタと音をたて瓦解への道へと向きを変えました。
いわゆる『日銀砲』は、まだマシな方です。少なくともドルという貨幣と代えられますので。
ところがウォンに対する円借款はいただけません。たぶんウォンを通過とする国は返済する気が無いでしょうから、結局は紙くずのウォンを円に交換するハメになりそうです。
ただ、そういうウォンの国も、経済ではギャンブラーの奴隷状態になっています。そう考えますと、ウォンに対する円借款も背後で米国の思惑が見え隠れします。
TPPやASEAN+等々。そのような観点で私は世界を見るようにしています。
すると、世界が見えてくる!あら!不思議!? なるほど世界はそうやって・・・ふむふむ(笑)

私は常日頃から『欧米ではこうしている。これが常識』と、何の根拠もなく確信犯的に欧米が~と主張しているエコノミストや政治家に違和感を抱いていました。
これもある種のプロパガンダだったのでしょう。
最近はそれもネタバレしてきていますけど(笑)

個人的にはもう一度『美しい日本』を安倍さんに唱えてもらいたいと願っています(笑)

話は変わりまして(笑)
『朝のうた』を拝読させて頂きました♪
墓石先生らしい、繊細なことばと人生観をたっぷりと堪能させていただきました(^^)
『野に咲く花は、光の言葉で希望を歌う』
光(ビジュアル)。希望(心)。歌声(音)。五感全てに訴えかける素晴らしい言葉だと思います(^^)
一年の最後に「美しい日本語」に振れられ心が洗われる気持ちになりますね(^^)

朝夕の冷え込みが厳しさをより増してきました。
お体には充分注意してくださいね。

それでは、来年は実り多き一年になりますように!
良いお年をお過ごし下さい。

中山杏

投稿: 中山杏 | 2011年12月30日 (金) 23時33分

杏さん、こんにちは。
経済の話は難しくて、頭がウニになりそうです。引き続き勉強します。
杏さんから託された「くつひも時空理論」、現在研究中です。
時空論を完璧に理解して、これをシモネタに昇華するのは、大変なことです。
頭がウニになりますね。

写真詩を見ていただきありがとうございます。
恥ずかしいですね。
 では、また来年。ご活躍をお祈りします。

投稿: 墓石 | 2011年12月31日 (土) 13時39分

やっぱり、税金は儲かった人が、払うべきだと言っているようだと《カジノ資本主義》は変わらないでしょう。

儲けようとする人が払うべきだとして、《法人経費税》や《投融資資金税》を創りだしたら、夢の在る経済が生まれ出るでしょう。☆

投稿: かじかわ | 2012年8月22日 (水) 20時16分

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